TAJIHM の 兵庫の山めぐり <北但馬
 
扇ノ山    おうぎのせん 1310.0m 若桜町・八頭町・鳥取市
(鳥取県)
 
1/2.5万地図 : 扇ノ山
 
【2011年4月】 No.8 2011-37(TAJI)
 
    わかさ氷ノ山スキー場からの尾根より  2011 / 3

 どうも残雪の扇ノ山が気に入っており、2008年以降は3年連続で、しかも南麓となる「八東ふる里の森」からのコースばかり登っている。尾根のおおらかさと尾根から見える風景の広がりに魅せられている。またブナ林を抜けていきなり山頂の小屋が現れるのも好きである。
 2011年は雪の多い年で、3月が終わろうとしても兵庫北部はまだ雪が降り、播州南部から北を見ると、後山から駒ノ尾山にかけての尾根が白くなっているのが眺められた。これなら扇ノ山はたっぷりと雪がありそうだった。4月に入ると、4日が朝から素晴らしい快晴だった。その空を見て、雪山を登るには最適の日ではと思えた。その天気が翌日も続くと分かると、矢も盾もたまらず扇ノ山を登りたくなった。そうなると実行するのみだった。雪山は雪の良く締まっている午前に行動するに限るので、自宅を6時に離れた。この日は単独行である。やはり2011年は雪が多いようで、新戸倉トンネルが近づくと、路肩の雪はまだ1メートル以上残っていた。心配は「八東ふる里の森」に通じる車道がどの程度除雪されているかだったが、4月に入っているので除雪は終わっているかもしれないと思う一方、残雪が多くてあまり進んでいないのではと思えたりもした。鳥取県に入ると一度雪は減ったが、国道29号線を離れて「八東ふる里の森」に通じる車道に入ると、雪はの徐々に増えてきた。そしてあと5km地点辺りとなると両側が雪の壁となり、車道は車1台分の幅になってしまった。そしてその先で重機が現れると、もう路面は雪で白くなっていた。それでも進むと除雪車が車道を塞いでいた。そこで少し戻って道幅が広くなった所に駐車した。何のことはない。3年前の09年登山時とほぼ同じ位置だった。「八東ふる里の森」までおおよそ3.5kmの地点だった。やはり例年以上に雪が多いで、思ったほど除雪は進んでいなかったようである。朝の気温は6℃ほど。雪の表面は固く締まっており、スノーシューの必要も無く歩いて行けた。この後の登山の様子は下の写真日記で見ていただくとして、これまでも同じ「八東ふる里の森」から歩いているのに、尾根を変えたり大回りで登ったりと、全く同じルートを歩いていなかった。今回は新ルートを考えず夏道コースのままに登るつもりだったのだが、また違うルートで登ってしまった。登山口に着くと、その雪の多さに登山口の標識はすっかり雪の下だった。辺りの山肌もすっかり白く、どこを登っても同じと言える状態になっていた。そうなると登山コースを探して辿るのは意味が無いように思えて、今回は間近の尾根にすぐに取り付くことにした。始めに急斜面を登るが、表面が固くなっていたので、スノーシューで無理なく登って行けた。尾根に出ると、展望が開けて、後はそれを楽しみながらスノーハイクだった。すんだ青空と白銀の世界が広がっている。しかも風も僅かに吹くだけの穏やかな天気とあって、まさに雪山日和だった。おかげで思う存分に扇ノ山を楽しんだ一日だった。それにしてもこれだけ続けて「八東ふる里の森」側ばかり登るのは芸が無いように思えて、次は別コースでと考えながら帰りの林道を歩いていた。
(2011/4記)(2021/1改訂)
<登山日> 2011年4月5日 8:23スタート/8:31除雪部が終わる/8:38「ふる里の森」まで3km地点/9:11「ふる里の森」まで1.5km地点/9:36八東ふる里の森/10:38登山口/急斜面を登って行く/11:06町境尾根に出る/11:42「1170m]地点/11:53[1194m]ピーク/12:17〜53山頂/13:10[1194m]ピーク/13:54登山口/14:37八東ふる里の森/15:30除雪車と出会う/15:48エンド。
(天気) 快晴。雲一つ無く、澄んだ青空が広がっていた。気温は朝は6℃ほどだったが、昼には12℃まで上がってきた。尾根に出ると少し風を受けたが、山頂はほとんど風が無く、穏やかだった。視界はまずまず良かったが、西の空は少しうっすらとしていた。
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この重機のそばが広くなっていたので、そこに
駐車する 「ふる里の森」まで3.5kmほど
あった
歩き出すと除雪車が現れたが、その先も除雪は
されていた
もう一台除雪車が止まっていた 今まさに除雪
を進めているところだったが、まだ人影は無か
った
除雪車の前に出ると、倒木が林道を塞いでいた その先はたっぷりと雪が林道を覆っていた 15分ほど歩いて「ふる里の森」まで3kmとなった
雪の重みに耐えきれずに倒れたのだろうか 土砂崩れがあったようで、道を塞いでいた 雪面には昨日のものかトレースが付いていた
途中で右手に林道が分かれた 埋もれた看板に
は工事中と書かれていた
前日のトレースと比べると、こちらのトレース
は軽く靴の形が付くだけだった 雪は良く締ま
っていた
あと1.5kmの標識が現れて程なく、トレー
スは消えてしまった 諦めて引き返したようだ
った

 「八東ふる里の森」
 に着く

    その上空には雲一つ
    無い青空が広がって
    いた
    
「ふる里の森」の先は一段と雪が増えて、林道
は斜面のようになっていた
林道はたっぷりの雪の風景が続く 前方に扇ノ山の尾根が見えてきた 例年よりも
やはり白かった
扇ノ山の方向を大きく見る 振り返ると南の空に東山がくっきりと望まれた 雪の緩んだ所が現れたのでスノーシューを履く
登山口が近くなって壊れた小屋が現れたが、屋
根の一部が見えているだけだった
登山口に着く 標識は雪の下のようだった ど
こからでも登れそうだった
右手の急斜面を登って、手っ取り早く尾根に出
ることにした
急斜面を登っているとき、雪の造形を見る 途中から人工林の中を抜けて行く 小さな尾根を登るようになった

 木立が空いたとき
 左手に扇ノ山がす
 っきりと眺められ
 た

  山頂の避難小屋は
  屋根だけ見えてい
  た
若桜町と八東町を限る尾根に出て、北へと歩いて行く 右手に展望が開けていた 1130mピークへの登りは少し傾斜がきつかった

 1130mピー
 クへ登っている
 とき、後ろを振
 り返った

  那岐山はごくうっ
  すら見えていた
1130mピークは真っ白だった 1130mピークにに着いて北へと歩く 次は1170mピークへの登りだった
1170mピークは好展望地だった いつもこの風景には暫し足を止めることになる
仏ノ尾を大きく見る 青ヶ丸を大きく見る 仏ノ尾と青ヶ丸の手前に1130mピークを見る
山頂を北西に見る そこに向かって歩くだけだった なだらかな尾根のスノーハイクを楽しむ 痩せ尾根の所もたっぷり雪が積もっていた

 1194mピーク
 に着いて山頂を望
 む

  ブナを見上げると
  澄んだ空が広がっ
  ていた
山頂手前のブナ林に近づいて行く ブナ林を登り出して傾斜がきつくなる 山頂が目前となって避難小屋が見えてくる
ブナ林を抜けると避難小屋が見えるだけだった 山頂に到着 避難小屋の前に立つ 避難小屋の裏手に回ってみた

 避難小屋の裏手から
 北を見る 大ズッコ
 の丸い山頂を望む

    東を見ると、畑ヶ
    平の建物が見えて
    いた
東の方向を広く見る 妙見山が仏ノ尾に隠れるようにして見えていた

 避難小屋の南に戻
 って南東に氷ノ山
 を見る

    氷ノ山の山頂を大
    きく見る
南の尾根を見る 南の方向は少しうっすらとしていた
南の方向に少し下って避難小屋を振り返る 下山は登ってきたコースを引き返すことにした 少し下ったとき、山頂方向を振り返る
澄んだ空が気持ち良い 正面に氷ノ山を見ながらの下りだった
1170mピークに着いて、北に久斗三山を見る 1170mピークを離れて南に下るとき、氷ノ山の方向を大きく見る
尾根を離れて林道へ向かう 急斜面をシリセードで下って林道に下り着いた 長い林道歩きが始まる
細見川の雪解けも遅いようだった 雪が緩んで、スノーシューも潜るようになった 細見川の小さな滝を見る
「八東ふる里の森」まで戻ってきた 道路標識を見る 4月にしてはやはり多いと言
える
林道そばの堰堤を見る 雪解けで水量は多かっ
除雪中の現場に出会った 除雪の終わった林道を歩いて行く 路面に雪が見られなくなると、駐車地点は近かった