TAJIHM の 兵庫の山めぐり <北但馬
扇ノ山    おうぎのせん 1310.0m 若桜町・八頭町・鳥取市
(鳥取県)
1/2.5万地図 : 扇ノ山
 
【2012年7月】 No.9 2012-69(TAJI&HM)
 
    風の広場展望台より  2012 / 7

 扇ノ山には登山コースが幾つかあるが、姫路公園コースは積雪期に一部を歩いただけで、夏道としては歩いたことが無かった。コースの距離としては短い部類に入るので、暑い盛りに登るのが良いのではと考えて、機会を窺っていた。それを実行したのは2012年7月30日のこと。連日猛暑が続いており、この日も鳥取地方は35℃になるとの予想が出ていたので、これは厳しくなると覚悟して向かった。県道37号線を走って、まずは姫路公園に近づいた。公園でトイレ休憩としたが、車の外に出るともう30℃を越す暑さだった。姫路公園の先で河合谷林道に入って東へと向かう。林道はずっと舗装路だった。細くなったり広くなったり、また何度もカーブを曲がったが、急坂になることは無く、ほぼ緩やかな道として続いていたので、走るのは楽だった。途中で林道は二手に分かれたが、あくまでも東へと進んだ。もうそろそろではと思えだした頃に、道そばに数台の車が止められる駐車場が現れた。そこが登山口駐車場で、そこから目と鼻の先が姫路公園コースの登山口だった。駐車場に戻って車を止める。月曜日とあって、他に車は見えなかった。車の外に出ると、さっと涼しげな風を受けた。その辺りで標高は900mほどあり、意外なほど暑さは和らいでいた。気温はと見ると27℃で、ふもととは5℃ほど温度差があるようだった。この姫路公園コースについてはガイドブックでも紹介されており、またハイキングの様子は下の写真を見ていただくのが分かり易いので、詳細は記さないことにするが、まずは思っていた以上に易しいコースだった。始めに沢沿いを歩き、次に斜面を登り出すと、最初こそ杉林の中を登ったが、次第に周囲は自然林の風景となった。その雰囲気は悪くないと思っていると、それも道理で、コースは中国自然歩道になっていた。その雰囲気の良さと気温が高く無いことで、夏とは言えどもけっこう良い感じで登って行けた。それも丸太の階段が長々と続き出すと、やはり暑さに少しはばて気味になった。周囲の雰囲気は良くとも樹林に囲まれて登るため、展望は無いままの尾根登りが続いた。少しは展望が欲しいと思っていると、突然のように右手に小径が現れた。そこは檜蔵と呼ばれる所で、小径の先に大きな岩が見えていた。そこで大岩に立ち寄って岩の上に立ってみると、そこはちょっとした展望台になっており、一気に展望が開けた。眼前に扇ノ山を見るだけでなく、青ヶ丸から氷ノ山までが一望だった。その檜蔵の位置から山頂まではまだ標高差は150mほどあり、今少し登ることになった。冬に歩いたときは雪面が広がって展望があったのだが、夏は全く展望は無かった。そのうちにまた展望が現れるのではと思っていると、前方が明るくなった。そこで一休みと思って近づくと、小屋が見えてきた。どうやら尾根道からの展望が無いままに山頂に着いたようだった。山頂の避難小屋の前にはベンチが置かれて休憩出来るようになっていたが、強い陽射しのもとでは休む気になれず、避難小屋で休憩することにした。まだ11時を過ぎたばかりとあって誰もおらず、静かなものだった。避難小屋は二階が休憩する所になっており、その四方の窓を開けると、さっと爽やかな風が入ってきた。強くは無かったが、十分に涼しさのある風は、まさに一服の清涼剤と言えそうだった。二階と言えども周囲は高木が茂っているので展望は良いとは言えず、東に仏ノ尾と、木立の隙間から青ヶ丸を見る程度だった。そこで小屋ではひたすら涼を楽しんだ。おかげで山頂では一時間余り過ごすことになった。下山はすんなりと姫路コースを引き返した。山頂ではまだ時間が早かったこともあって昼食をとっていなかったので、下山の途中、檜蔵で昼食とした。そして後はすたすたと登山道を下ると、山頂を離れてから55分で登山口だった。休憩時間を除くと40分ほどとなるので、姫路公園コースはやはりごく簡単なコースだったと言えた。それでいて美しい樹林と涼を楽しめ、更に沢の水は冷たくおいしかったので、夏の登山としてはお薦めコースではと思えた。
(2012/8記)(2021/1改訂)
<登山日> 2012年7月30日 9:47スタート/10:04沢すじを離れる/10:29〜41檜蔵/11:05〜12:17山頂/12:35〜49檜蔵/13:04沢に下り着く/13:22エンド。
(天気) 晴れ。少し雲が多かった。晴天続きのために、薄い色の青空だった。気温は26℃ほど。山頂では弱いながらも涼しさのある風を受けた。視界はうっすらとしており、氷ノ山がごく淡くしか見えていなかった。
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登山口の近くに駐車場があった 姫路公園コースの登山口に入る すぐ現れた標識に山頂まで1.8kmと書かれ
ていた
沢に架かる小橋を渡る 沢に沿って進むが、何度か小橋を渡った 沢から少し離れて林の中を歩く
また沢を渡った 丸木橋だった 登山道の近くで小さな滝を見た 沢を離れて尾根に向かった
登山道のそばにイワカガミの艶やかな葉を見る 植林地の中を登って行く 自然林の中を歩くようになると、ブナも見られた
登山道は中国自然歩道だけに雰囲気は良かった ブナの大木を見上げる この辺りはすっかり森林浴だった
登山道から少し離れて檜蔵と呼ばれる大岩を見た 大岩の上に立つと、扇ノ山が間近に見上げられた

 岩は東西に長くな
 っており、今少し
 先まで歩いた

     上の写真の右手も眺
     められて氷ノ山を望
     めたが、うっすらと
     した視界だった
   
登山道に戻って登りを続ける 丸太の階段道が始まった 階段の道は暫く続いて高度をあげる
周囲にササが広がる ブナの林を見上げる 緩やかな道となって山頂へと近づく

 突然のように山頂の
 避難小屋が現れた

       山頂の避難小屋の
       前に立つ 陽射し
       が燦々と降り注い
       でいた
三角点を見ると、一角が大きく削られていた 避難小屋の二階に上がって南東の方向を見る 東の空を見る

 木立の隙間から鉢
 伏山を見る

    右上の写真の仏ノ
    尾から論山に続く
    尾根を大きく見る
下山に入る前に、山頂近くのブナ林を見上げる 下山は登ってきた姫路公園コースを引き返す 山頂の避難小屋を振り返った
    
丸太の階段道を下る 下山では檜蔵で昼食とした 檜蔵の大岩の上に立って青ヶ丸を眺めた
ヤマアジサイの花を見た 沢に下りてきた 沢の水は冷たくおいしかった 登山口が目前になった

 下山後、河合谷林
 道を南へと走って
 風の広場展望台に
 立ち寄った

   展望台からは扇ノ
   山がすっきりと眺
   められた