◆ TAJI&HM の 兵庫の山めぐり <北但馬編> | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
扇ノ山 おうぎのせん | 1310.0m | 若桜町・八頭町・鳥取市 (鳥取県) |
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上山 うえやま | 946.1m | 新温泉町 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1/2.5万地図 : 扇ノ山 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【2014年3月】 No.10 | 2014-27(TAJI) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
《扇ノ山》 陣鉢山より 2014 / 4 |
(3/28) 扇ノ山の山頂避難小屋が建て替えられてから20年以上になるが、その二階は窓が大きくとられており、陽射しがいっぱい入るようになっている。その山頂避難小屋に一度は泊まってみたいと考えていた。それも積雪期にだった。漸く実行としたのは2014年3月の最終金曜日のことだった。この日は兵庫、鳥取とも全域で、終日晴れが約束されていた。扇ノ山をどのコースで登るかだったが、雪の扇ノ山はこれまでずっと鳥取側の八東ふる里の森コースを登っていたので、今回は兵庫側の上山高原からのコースを登ることにした。28日は山頂避難小屋に着くまでなので、朝はゆっくりと自宅を離れた。そのため11時を回って新温泉町に入った。国道9号線を離れて県道262号線へ。そして海上集落に通じる道に入った。海上集落を抜けると、後はひたすら海上林道を走るだけだった。その林道をどこまで進めるかだったが、意外と早く車を止めることになった。そこはシワガラの滝への小径が分岐する地点で、道路上には通行止めの仮柵が置かれていた。通行止めの理由は、その先で土砂災害があるためだった。その通行止め地点のそばには数台分の駐車スペースがあり、既に2台の車が止まっていた。そこにこちらも止めることにした。通行止め地点の先の路面には雪が見られなかったため、スノーシューをザックに付けてハイキング開始とした。道路脇には雪が積み上げられていたので、除雪がされたようだった。どこまで除雪されているのかと思っていると、数分歩くだけで除雪区間は終わり、その先はすっかり雪だった。やはりこの地域は但馬の豪雪地帯と言えそうだった。そこからはスノーシューを履いて歩くことになった。少し歩くと土砂災害の現場が現れたが、その規模からすると法面工事までする必要がありそうで、雪が溶けても暫くは車での海上林道走行は無理ではと思えた。災害地を過ぎると雪は減って路面を歩けるようになったので、そこはスノーシューを脱ぐことにした。それも長くは続かず、再び路面は雪に隠されたので、スノーシューを履くことになった。災害地を過ぎて10分ほど歩いたとき、枝道が分岐した。地図を見ると、そちらを歩く方が少し早く上山高原に着けそうに思えたので、枝道側に入った。その分岐点まで二つのトレースがあり、分岐点でトレースは二手に分かれていた。スキートレースは林道をそのまま進んでおり、スノーシューのトレースは枝道に入っていた。そのスノーシューの跡を追うようにして歩いた。但し3月後半とあって雪は締まっており、トレースははっきりしたものでは無かった。ときに見えなくなることもあった。枝道コースは小さな尾根を歩くようになり、その先でなだらかな地形となった。そこをだらだらと登ると、広々とした所に出た。そこが上山高原で、前方に見える小さな丘が上山だった。その上山に登りたい気持ちが起きたが、山頂までまだどれくらいかかるのか予想出来なかったため、立ち寄るのは諦めることにした。上山高原の一角にベンチが見えたので、そこで一休みとした。そして昼食を漸くとった。この日は本当に良く晴れており、雪面の照り返しに目が痛くなってきた。サングラスを忘れてきたことが悔やまれた。昼食を終えてハイキング再開としたが、スノーシューのトレースは雪の表面が溶けたことで見えなくなっていた。また上山高原の来て林道に合流したことになったのだが、一帯はすっかり雪でどこが道路なのか分からなかったので、地形で判断するしかなかった。適当に歩いて行くと案内板の前に出たので、道路上を歩いていることが分かった。その頃には一度見なくなっていたスキーのトレースを再び見るようになった。そのスキートレースを追うように西へと歩いた。次第に林道上を歩いていることがはっきりしてきた。やがてショーブ池のそばに出た。ショーブ池はすっかり雪に覆われていたが、その位置からは扇ノ山と大ズッコが望めた。まだまだ距離があった。その後も林道歩きをだらだらと続けて、河原谷コースの登山口を目指した。その登山口は県境尾根を越えた位置にあるのだが、そちらへは下り坂となるので、県境尾根の位置で林道を離れることにした。ちなみにスキートレースは今少し手前の位置で林道を離れていた。尾根に取り付いて、漸く山登りの感じとなった。やや急坂を一歩一歩踏み締めて登ると、程なく左手から支尾根が合流し、再びスキートレースを見るようになった。疎らな樹林の尾根を登って行くと尾根が緩んできて、突然のように小ズッコ小屋が現れた。もうそこからはひたすら南へと歩いて行くだけだった。その先は杉林で、それが終わると自然林が広がった。その中をずっと歩くのだが、スキートレースは途中から尾根筋を離れて右手に向かっていた。自然林を抜けて自然林の縁を進んでいるようだった。こちらもそれに習って、自然林の縁を歩いて行くことにした。左手は自然林で、右手に雪面が広がる風景は伸びやかさがあった。南西方向に見える小さなピークは1152mピークのようだった。青い空と白い雲、そして自然林が作る絵のような風景の中を歩いていると、下山してくるスキーヤーとすれ違った。スキートレースを付けた当人のようで、話を聞くとどうも山頂には他に人はいないようだった。暫く自然林も縁を歩いた後、再び自然林へと入って行った。今度はブナ林を愛でながら歩いた。相変わらずだらだらとした登りだったが、そのうちに傾斜が増してきた。展望も現れて、左手に仏ノ尾、青ヶ丸、鉢伏山の並ぶ姿が眺められた。はっきりとした登り坂となり、そのピークが大ズッコだった。そこまで来ると、山頂の避難小屋が望めるようになった。その小屋を見ながら鞍部へと下り、そして登り返した。十分に明るいうちの山頂に着けるので、焦ることもなくマイペースで歩を進めた。前方に再び避難小屋が眺められるようになり、それに近づいて行くのは、漸く着くのかの思いを抱きながらで悪くはなかった。扇ノ山の山頂に着いたのは17時前で、駐車地点から5時間、県境尾根に取り付いてから2時間半が経っていた。やはり雪の季節の扇ノ山は、どこから登ってもけっこう時間がかかるようだった。山頂に着いて強く西風を受けるようになったので、すぐに避難小屋の中に入った。無人の避難小屋だった。靴を脱いで二階に上がるのだが、その靴を脱ぐときに無理な姿勢で脱いだためか、右足がつってしまった。予期せぬ事態に少々動揺したが、這うようにして二階に上がり、暫く休んでいると痛みが引いてきたのは助かった。その2階は窓が広くとられていたため、夕日が燦々と注いでいた。おかげで気温は16℃と、十分な暖かさがあった。この後は外に出ることも無く、ひたすら小屋の中でのんびりと過ごした。夕陽が沈みゆく様を眺めたいと期待していたのだが、夕暮れとなって西の空は雲が増えて、その雲の中に太陽は漠然と吸い込まれてしまった。夕陽を眺められなかったのは、少々残念だった。夜が更けてくると、上空に星空が広がり、久々に北斗七星や北極星を眺めて、一人で無人小屋で過ごせる幸せをしみじみと噛みしめた。 ----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- (3/29) 前夜は深夜になって雲が増えてきて、星空は消されてしまった。そしてずっと強風の音を聞くことになった。それでもまずまずの睡眠をとることが出来た。朝になって周囲の風景が見え出すと、やはり上空は雲が広がったままで、青空はほとんど見えなかった。避難小屋を離れたのは6時半前。十分に周囲が見える明るさになっていた。小屋の外は相変わらず強い風だったが、前日ほど強くは無かった。始めに小屋の周囲を散歩した後、下山を開始した。下山は往路を引き返すのみ。大ズッコへの登りが終われば、後はごく緩やかな尾根を下る上に、自分で付けたトレースを辿るだけなので、けっこう気楽だった。ずっと曇り空の下を歩くものと思っていたところ、少し雲が薄れて陽射しを受けるようになった。但し青空が広がってくることは無かった。この下山では上山に立ち寄ることにした。上山高原避難小屋のそばから取り付き、歩き易そうな所を適当に登ると、10分で山上に出た。陽当たりが良いためか、地表の現れている所も見られた。ただ三角点の辺りは40センチ以上の雪で、三角点は見えなかった。山上には簡単な展望台があり、その上に立って360度の眺望を楽しんだ。扇ノ山と大ズッコの並ぶ姿が眺められ、仏ノ尾のどっしりとした姿も良かった。北には久斗山も望めた。上山の山頂からは、北へと遊歩道をコースを下ったが、所々で遊歩道が現れていた。上山を離れると、再び自分のトレースを追うことになったが、上山高原からは前日と同じくショートカットコースを通って海上林道に再び合流した。土砂災害地に来ると、前日よりも地表が多く現れており、確実に雪解けの進んでいることが分かった。駐車地点に戻ってきたのは10時過ぎ。山頂から3時間半だったので、上山に立ち寄ったにもかかわらず、往路よりも1時間半ほど早く歩けたようだった。一泊しているおかげで疲れは多くなく、扇ノ山を十分に楽しんだの思いで帰り支度をした。 (2014/9記)(2021/1改訂) |
<登山日> | 2014年3月28日 | 11:48海上林道のシワガラの滝コースが分岐する位置よりスタート/12:18上山高原へのショートカットコース分岐点/13:05〜19上山高原のベンチで昼休憩/14:56小ズッコ小屋/16:14大ズッコ/16:51扇ノ山山頂着。 | |
(天気) | 快晴。雲はほとんど無し。少しうっすらとした青空だったが、登るほどに澄んだ青空となった。気温は木陰で16℃ほどながら、陽射しの下では20℃以上あった。ただ山頂に着いたときは12℃まで下がっていた。視界は少しうっすらとしている程度だった。山頂ではやや強く西風を受けた。なお避難小屋の中は、着いたときは夕陽に暖められていたのか、室温は17℃あり、暖かかった。 |
<登山日> | 2011年3月29日 | 6:29扇ノ山山頂を離れる/6:55大ズッコ/7:46小ズッコ小屋/8:38上山避難小屋/8:48〜55上山/9:39ショートカットコース分岐点/10:05エンド。 | |
(天気) | 前夜から上空に雲が広がり出し、ほぼ曇り空で朝を迎えた。但し、青空も見えていた。朝の気温は8℃。その後、雲は少なくなることはあっても、空の三分の二までで、青空の広がることは無かった。それでも陽射しを受けながら歩くこともよくあった。上山高原では、風はほとんど受けなかった。また視界も悪くなかった。気温は17℃まで上がっていた。 | ||
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