TAJIHM の 兵庫の山めぐり <北但馬 
 
扇ノ山    おうぎのせん 1310.0m 若桜町・八頭町・鳥取市
(鳥取県)
 
1/2.5万地図 : 扇ノ山
 
【2016年3月】 No.11 2016-27(TAJI&HM)
 
    扇ノ山林道より  2016 / 3

 2016年は年初から瀬戸内側の山を多く登っており、雪山を訪れていなかった。それでは寂しいと、3月も後半に入って残雪の山を目指すことにした。この冬は暖冬でしかも雪解けが早かったため、3月後半で気軽に雪山を楽しもうとなると、どうも氷ノ山か扇ノ山しか思い浮かばなかった。そのどちらをとるかと考えて扇ノ山を選んだのは、雪解けの早いことで八東ふる里の森まで車を進められるだろうと考えてのことだった。
 自宅を7時半過ぎに出たため、八東町の富枝で国道29号線を離れたときは、10時が近い時間になっていた。そして予定通りに八東ふる里の森まで車を進めることが出来た。キャンプ場への道は雪が塞いでいたが、手前の駐車スペースには3台の車が止まっていた。そこにこちらも車を止めると、すぐに準備を済ませて林道に入った。林道は雪の消えている所が多かったので、スノーシューはザックに括りつけて歩き始めた。林道の雪は次第に増えて、道を隠すようになった。それでもときおり雪の消えている所が現れた。雪面にはスキートレースとツボ足のトレースが付いていた。雪は前日にでも降ったのか、真っ白だった。但し新雪の量は少なく、その下は固い雪だった。そのため雪が増えてきても、スノーシューを履かずとも無理なく歩けた。途中で扇ノ山が望めると、山頂辺りは白くなっていた。どうやら樹林が霧氷を纏っているようだった。その霧氷風景を間近で見たいと思った。登山口までは55分だった。登山口からもトレースのおかげでコースを探る必要もなく歩けたのは気楽だった。相変わらずスノーシューは履かないままだった。この日は天気予報では晴れとなっていたのだが、上空は薄黒い雲が覆っていた。その雲のおかげで、まぶしさを感じずに登って行けた。ときにトレースは登山コースを外れていることがあったが、歩き易さを考えてツボ足のトレースを追った。急斜面を登ると、その先は尾根歩きだった。そして1194mピークまで来ると間近に山頂を望めるようになった。暗い空の下に山頂避難小屋が見えていた。その周囲の霧氷はまだ残っていた。緩く下って広々とした所に出ると、前方に扇ノ山を仰ぎ見るよになって最後の登りにかかった。周囲の樹林に霧氷を見るようになったのは山頂まで100mほどとなった辺りからで、途中からは見事な霧氷風景となってきた。既に時刻は12時を回っていたのだが、陽射しが無くまた風も無いため、霧氷が十分に残っていたと考えられた。程なく山頂に着くと、意外や誰もいなかった。スキートレースを付けた人は近くでスキーをしているようであり、ツボ足のトレースを付けた人は、少し手前ですれ違った人のようだった。その山頂には避難小屋が建っているのだが、以前と比べて薄黒くなっていた。どうやら暗褐色系の塗料で塗り直されたようだった。避難小屋の二階に上がったのはパートナーだけで、こちらは靴を脱ぐのが面倒なので一階で休憩とした。その休憩中に北側の尾根を10人以上のグループが登ってきた。ちょっと賑やかになったが、グループは山頂に立つと10分とおらずに下山してしまった。また静かな山頂となった。相変わらず上空は曇天で、西の空も分厚い雲が広がっていた。ただ全天が曇りでも無く、東から南にかけては青空があって氷ノ山が明るく見えていた。そちらの青空が広がっているように見えたので山頂で待っていたのだが、扇ノ山までは広がらないようだった。そこで下山を始めたところ、少しずつ雲が薄れてきた。そして鞍部まで来たとき、一気に青空が広がってきた。それを見て急いで霧氷の樹林に戻った。そして青空の下で霧氷風景を楽しんだ。青空が広がると共に気温が上がったため、霧氷が一斉に落下を始めて、小雪が降る状態になった。その様を眺めながら再び下山を始めた。青空は空の半分まで広がると、それ以上にはならずまた雲が増えてきた。その空の下で淡々と下山を続けたが、この下山はスノーシューを履いてだった。スノーシューが無くとも歩けたが、履いている方が靴底が安定するだけに楽だった。また再び雲が増えたおかげで、この下山でもまぶしい思いをせずに雪上を歩けた。林道に出ると、後は少し単調な林道歩きかと思っていたのだが、雪解けが早かったおかげで、例年よりも早くフキノトウが顔を出していた。数は少なかったが、フキノトウ摘みを楽しみながらの林道歩きとなって退屈することもなく戻って行けたのは良かった。
(2016/4記)(2019/4写真改訂)
<登山日> 2016年3月26日 10:10八東ふる里の森スタート/11:05登山口/12:02[1194m]mピーク/12:25〜58山頂/14:14登山口/15:08エンド。
(天気) 曇り空。薄黒さのある雲が空を覆っていた。林道の気温は5℃ほど。山頂は0℃まで下がっていたが、風が無かったため、底冷えの感じは無かった。視界はまずまず良かった。下山を始めた頃より青空が徐々に増えて、空の半分まで広がってきた。その後は、また雲が増えてきた。
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八東ふる里の森に着いて、路肩が広くなった所に駐車
した
林道の雪は僅かだった 例年と比べてずっと少ないよ
うだった
八東ふる里の森に建つバンガローを見ると、そちらに
雪は見られなかった

(←)
雪の消えている所も
多かった

 (→)
  歩くほどに、少しず
  つ雪が増えてきた
雪面にはスキートレースとツボ足のトレースがあった 上空は薄黒い雲が広がっていた 前方に扇ノ山の山頂を望めることがあった
林道のそばに小さな滝を見る すっかりスノーハイキングの雰囲気となってきた 後方に見えてきた東山を大きく見る

(←)
左手に河合谷林道が
分かれるも、真っ直
ぐに進んだ

 (→)
  登山口に着いて、登
  山コースに入った

トレースを追うだけなので、気楽な登りだった 始めのうちは緩やかな登りだった 樹林帯に入って、山頂まで1.4kmの標識を見る
尾根に向かって急斜面を登った トレースはコースを外れたときがあったが、そのまま
トレースを追った
尾根に出て緩やかな尾根歩きとなった
木々の隙間から山頂が覗いていた 木立を避けながら歩くことがあった 1170m地点に着いた

1170m地点は
好展地だった
この日の視界は良
いようで、蘇武岳
もくっきりと見え
ていた

(←)
蘇武岳の尾根を大き
く見る

 (→)
  痩せ尾根になった所
  を歩く

1194mピー
クに着いた
扇ノ山が大らか
な姿で眺められ


鞍部に着いて最
後の登りにかか
った
ブナ林の中を登って行く 次第に霧氷が見られるようになった 曇り空のおかげで落ちずに残っていたようだった

薄暗い中、霧氷
風景を愛でなが
ら山頂に近づい


山頂の避難小屋が
見えてきた

(←)
山頂に着いた 小屋
は暗褐色に塗り直さ
れていた

 (→)
  少し遅れてパートナ
  ーが到着した

山頂の木立も霧
氷を纏っていた

天気が良くなるこ
とを待ったが休む
間に西の空は暗さ
を増したようだっ


山頂で30分ほ
ど過ごすと下山
とした 往路を
戻って行く

南東に見える氷ノ
山は明るかった 

その上には青空が
見られた

南東が明るい分
霧氷も少し明る
く眺められた


木立の空いた所か
ら南の山並みが眺
められた
南東の青空がこちらへと広がってきた それを見て霧氷帯に引き返すことにした 陽射しが霧氷に当たるようになった

大きなブナを見上
げた

青空の下で明るい
霧氷を眺めた

霧氷は雪となって
散り始め、見る間
に半分以下に減っ
てしまった

下山を続けること
にした 氷ノ山の
上空は曇り空に変
わっていた
1194mピークに近づいた 痩せ尾根を通り過ぎる 1170m地点に着いて、青ヶ丸を大きく見る
マンサクの花をときおり見かけた トレースを辿って戻るのみ 急斜面を慎重に下った
登山口に戻ってきた 林道を歩いていると、ときおり陽射しを受けた フキノトウをちらほら見かけた
この半日だけでも雪は少し減ったようだった 細見川に小さな滝を見た 駐車地点が見えてきた