TAJIHM の 兵庫の山めぐり <北アルプスの山> 
 
鷲羽岳    わしばだけ 2924.4m 富山市(富山県)
大町市(長野県)
 
1/2.5万地図 : 三俣蓮華岳/薬師岳
 
【2019年7月】 2019-117(TAJI&HM)
 
    三俣山荘の近くより  2019 / 7

 北アルプスの鷲羽岳、水晶岳はどの登山口からも離れているため、最低3日、余裕を持ったスケジュールを組めば5日は必要と思われた。その二山を目指したのは2019年7月末、遅い梅雨が明けて漸く晴れが続くと予想された週でのことだった。登山口は新穂高と決め、移動を含めて4日の日程とした。
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(7月30日)自宅を離れたのは深夜の1時あった。当初の予定は3時だったが、1時前に目覚めてしまったのでそのまま出発としたものだった。山陽道、新名神、名神、東海北陸道と走って行くが、途中で仮眠をとったこともあって中部縦貫自動車道の高山ICを降りたときは午前6時を過ぎていた。天気予報ではこの日から晴れが続くはずだったが、上空は雲が広がっていた。国道41号線から国道158号線へと入り、平湯で国道471号線に折れた。そして7時半過ぎに新穂高の無料駐車場に着いてみると、200台分の駐車場は完全に満車状態だった。それでもごく僅かな隙間を見つけて何とか駐車したが、駐車するだけで少々時間をロスしてしまった。まずは北へと歩いて新穂高センターで入山届けを済ませると、後は蒲田川沿いの車道を歩いて登山口に向かった。車道は林道となり、車止めが現れるとそこが登山口のようで、その先は一般車は通行禁止になっており車を気にせず歩けることになった。林道の名は左俣林道で、ごく緩やかな上り坂だった。後はわさび平小屋を過ぎた先で小池新道に入り、この日宿泊を予定していた鏡平小屋までひたすら登って行くのだが、北アルプスの定番コースの一つでもあるので、その登山の様子は下の写真帳をご覧いただきたい。ゲートの位置からわさび平小屋までは70分かかり、更に20分歩いて小池新道に入った。小池新道を登り出しても上空は曇り空のままで、見えるはずの尾根はガスに隠されていた。これは登ることに関してはかえって有り難く、暑さに苦しむこともなく登れたのは良かった。また鏡平小屋までなので急ぐ必要は無く、マイペースを保って登った。それは良かったのだが、イタドリヶ原を過ぎてガス帯へと入ったときハプニングが起きた。曇り空と言ってもけっこう汗をかきながら登っており、その汗がカメラを濡らしたようで、いきなりと言った感じでシャッターがきれなくなった。これには少々あせったが、とにかく登って行くことにした。そのうちにときおりシャッターが動くときがあり、そのときに撮影するようにした。予定していた鏡平小屋に着いたのは13時半のこと。かなり疲れていたが、曇り空のおかげでまだ少しは歩けそうだった。そこで時間的に次の双六小屋まで行けそうだったので、予定を変更して双六小屋まで進むことにした。山上の天気は雨まで予想していたのだが、そのようなことは無く鏡平小屋辺りからは尾根のガスが薄れ出した。おかげで少しは周囲を眺めながらの尾根歩きが出来るようになり、その感じで16時過ぎに双六小屋に到着となった。やはり夏山の最盛期に入ったことで双六小屋は混雑しており、ふとん二枚で三人が寝ることになった。
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(7月31日)この日の朝の空はガスが多いものの青空も見えており、晴れが期待出来そうだった。双六小屋を離れたのは6時を大きく回ってからで、この日は鷲羽岳を三俣山荘からピストンする予定だった。当初の予定では鏡平小屋からのスタートだったので、ほぼ一日を使う行程だったが、双六小屋からのスタートとなったのでスケジュールとしてはずいぶん楽になった。三俣山荘へのルートは三っつあり、その中で一番楽な巻き道コースを歩いた。双六小屋から三俣峠まで2時間近くで、更に35分で三俣山荘に到着した。その間に天気はどんどん良くなっており、明るい空に鷲羽岳をすっきり眺めながらの到着だった。これだけ早く着けばこの日の予定を水晶小屋に変更しても良かったが、のんびり北アルプスに浸るのも悪くないと思って、予定通りこの日は鷲羽岳登山だけにとどめることにした。早々と三俣山荘の宿泊手続きを済ませると、ザックをサブザックに代えて鷲羽岳に向かった。その登山の様子は下の写真帳をご覧いただきたい。鷲羽岳は正面にガスに隠されることもなく見えておりそのまま晴れの山頂を期待したが、登るうちにガスが増えてきて上空の青空は少なくなってきた。そして山頂に着いたときは周囲にもガスがあって展望は一部に限られるまでになっていた。この程度かと諦めていると、休むうちにガスはどんどん薄れ、周囲の山並みのガスも薄れて好展望を楽しめることになった。水晶岳だけでなく南には槍ヶ岳も眺められたのは喜ばしい限りだった。山頂では一時間半ほどのんびり長休憩で過ごすと、下山は往路を引き返して三俣山荘へと戻った。そして午後は小屋の中でもひたすらのんびりと過ごした。但しこの日も布団2枚を3人で寝ることになった。
(2021/9記)
<登山日> 2019年7月30日 7:55新穂高無料駐車場スタート/8:08〜15新穂高センター/8:28ゲート/9:37〜48わさび平小屋/11:03〜13秩父沢/13:32〜42鏡平小屋/14:46〜52弓折岳分岐/16:06双六小屋エンド。
(天気) スタート時より上空はガス雲の広がる空だった。登るうちに少し青空を見るようになったが、曇り空に変わりなし。鏡平小屋に着く頃にはガスは少し薄れてうっすらとながら尾根を見るようになった。気温は概ね17℃で、山上に出ても変わらなかった。風は少なかった。
<登山日> 2019年7月31日 6:24双六小屋スタート/6:44巻道分岐/8:18三俣峠/8:53〜9:26三俣山荘/10:42〜12:08鷲羽岳/13:08三俣山荘エンド。
(天気) 晴れで朝を迎えた。その後は徐々にガスが増えてきた。朝の気温は17℃。鷲羽岳山頂に着いたときは上空はすっかりガスが広がっており、気温は14℃だった。風は僅か。鷲羽岳山頂で休むうちにガスは少なくなり晴れ間が広がってきた。気温は22℃まで上がってきた。その後はほぼ晴れの天気が続いた。視界は良かった。
<< Photo Album 2019/07/30 >>
新穂高の無料駐車場は完全に満車状態だった そこを
何とかスペースを見つけて出発とした
駐車場の北端まで歩くと、そこから先は連絡歩道に入
った
連絡歩道は落ち着いた雰囲気の小径だった
車道のそばに出ると、前方に新穂高センターが見えて
きた
新穂高センターにて登山届を提出した 朝の空はすっ
かり曇り空だった
始めに恵橋を渡って蒲田川の右岸側に向かった
車道を北へと歩いて行く 対岸に見えたのはホテル穂高だった また橋を渡って左岸に移った
このまま歩けば左俣林道に通じるようだった 道そばで咲いていたのはアジサイだった ゲートが現れて、その先から左俣林道となっていた
左俣林道は緩やかな上り坂だった オカトラノオを見る 舗装路は終わって砂利道を歩くようになった
上空はすっかり曇り空だった 再び舗装路が現れることもあった 左手に蒲田川(左俣谷)の渓谷が続く
双六岳、笠ヶ岳の標識を見る 白いシモツケソウを見た オニシモツケかと思われた 左俣谷の右岸を歩くようになり、水利施設を見る
いつしか上空に青空を見るようになった 水場が現れると、そのそばが笠新道の入口だった 自然林の中を歩く感じとなった
わさび平小屋に着いた ゲートから70分経っていた わさび平小屋の先も自然林の風景が続いた 林道を残雪が塞いでいる所が現れた

(←)
わさび平小屋から
10分で小池新道
の入口に着いた

 (→)
  林道を離れて小池
  新道に入った
始めは平坦な道だった 斜面にかかると、ガレ場が現れた 小池新道は石の上を歩くことが多かった
岩に小池新道の名が書かれていた 前方が開けると、やはりガスが広がる空だった ヨツバヒヨドリを見た
秩父沢に着いた 雪渓から来る沢風が快かった 秩父沢での休憩を終えて先へと進んだ 小さな沢を横切ることがあった
小池新道は相変わらず石の多い登山道だった ミズキの花を見る イタドリヶ原に着いて、ここでも暫し休憩した

少し上からはガス
帯だった

そのガス帯に入っ
たとき、カメラの
調子が悪くなって
しまった

カメラの調子が少
し戻って撮影を再
開する
シシウドヶ原を過
ぎており鏡平小屋
が近くなっていた

(←)
木道歩きで鏡平に
近づいた

  (→)
  鏡池の前に出た
すぐに鏡平小屋が現れて、そこで一休みとした ガスは薄れており稜線も見えていた まだ午後1時半だったので双六小屋に向かうことにした
10分の休憩で尾根を目指して登山道に入った コバイケイソウが茂るそばを通った 登山道はやや急傾斜で続いた
登るうちに周囲が開けてきた 足下に見えていたのは鏡池だった その鏡池を少し大きく見る
広々とした中にノウサギを見た ノウサギは暫くの間じっとしていた 他にもライチョウを見かけた

(←)
尾根筋を辿らず斜
面を登って行く

  (→)
   足下の赤い屋根
   は鏡平小屋だっ
   た
ときにハシゴを上った 黄色い花はキオンだった 尾根が目前になった
尾根に着いた そこは弓折岳分岐だった 南に向かえば笠ヶ岳だったが北へと双六岳に向かった 緩やかな尾根歩きとなった

ニッコウキスゲを
見かけた

尾根の先を眺めら
れることがった
ガスが薄れたとき、双六岳の辺りまで眺められた 残雪の上を歩くことがあった

尾根歩きで木道が
現れた その辺り
は花見平だった

小さな池を見かけ

尾根上には小さなピークが幾つかあった その一つを越して行く そのピークではハクサンシャクナゲがよく咲いていた
ガスが流れてきて視界が塞がれた 鞍部へと下る 鞍部が見えるとそこにはベンチが置かれていた 登り返すとき、後ろを振り返った
ヨツバシオガマを見た こちらはハクサンイチゲだった クルマユリも咲いていた
真っ直ぐ北へと下るようになった 双六小屋が見えたとき、その背後に鷲羽岳が望めた 双六小屋へと緩やかに下って行く
平坦地に下りてきた 木道を歩くようになった 双六池のそばに出てきた
双六池の先はテント場だった 双六小屋に到着した 16時を回っていた 玄関側に回ると、登山者で大賑わいだった

(←)
小屋に入って落ち
着くと外に出た
双六岳が姿を現し
ていた

 (→)
 小屋の前から改め
 て鷲羽岳を眺めた

<< Photo Album 2019/07/31 >>
この日の早朝はガスが広がっていた 次第にガスが薄れて、小屋の前から樅沢岳を見上げた 双六小屋を6時半が近くなった時間に離れた
双六岳へのコースに入ったとき、小屋を振り返った 道のそばではゴゼンタチバナをよく見た 周囲を木々に囲まれた中を登って行く
周囲はハイマツ帯となったが、ガスが広がってきた 視界は悪くなって、足下にうっすらと双六小屋を見る ハイマツ帯の登りが続く

ガスが薄れると前
方に双六岳が見上
げるようにして眺
められた

北の方向を見る

徐々に雲が減って
いた
三俣山荘巻道コースの分岐点に着いた 巻道コースに入った またハイマツ帯を歩いた
ウラジロナナカマドを見る コバイケイソウをよく見た チングルマも多かった
トラバース道を歩いて行く 遠方まで見えるようになってきた チングルマが咲く中を歩いて行く
陽射しが現れる時間が増えてきた 振り返ると快晴の空だった 小さな尾根を巻くことになった
尾根を巻くと前方に鷲羽岳が見えてきた 左手の尾根は丸山から三俣蓮華岳へと続く尾根だった 登山道は三俣蓮華岳の右手に向かっていた
前方に三俣蓮華岳が見えてきた 左手後方に丸山を見る 三俣峠に着いて三俣蓮華岳からのコースと合流した
峠を越すと鷲羽岳に向かって歩くようになった 鷲羽岳の山頂はガスに包まれてしまった ハイマツ帯を下って行く

(←)
ハイマツ帯が終わ
って下り坂が続い


  (→)
   鷲羽岳のガスが消
   えると水晶岳も見
   えていた
右上の写真に写る水晶岳を大きく見る 槍ヶ岳の山頂が現れた 南東方向だった 槍ヶ岳の左手に見えていたのは大天井岳だった
樹林帯に入って展望は消えた 再び展望が現れると三俣山荘が望めた 三俣山荘を大きく見る
テント場の位置まで下りてきた ほぼ平坦な道となって三俣山荘に近づいた 三俣山荘に到着した まだ9時前だった

山荘前では早朝に
鷲羽岳を登ったの
か、まだ出発して
いない登山者が大
勢いた

小屋の前では布団
干しの最中だった

前方に見えるのは
三俣蓮華岳だった
山荘で宿泊手続きを済ませると、ザックをサブザック
に変えて鷲羽岳に向かうことにした
小屋を離れると、始めにハイマツ帯を歩いた 正面に鷲羽岳が現れると、山頂まで真っ直ぐ続く尾根
道がはっきり見えていた
鞍部へと緩やかに下った 南の方向を見ると、槍ヶ岳は雲に隠されていた 上り坂に入った

振り返ると三俣蓮
華岳がすっきりと
眺められた

上り坂となっても
暫くは緩やかな道
だった
左手に見えていたのは祖父岳だった 次第に尾根の傾斜が増してきた ガレ場を登るようになると上空に雲が増えてきた

周囲もガスを見る
よになり、三俣蓮
華岳はガスに隠さ
れた

ガレ場登りがずっ
と続く 上空はす
っかり曇り空だっ


山頂が見えてきた

右手に見えたのは
鷲羽池だった

頂が目前になっ


ガスに囲まれた山
頂に着いた
三等三角点(点名・中俣)を見る 取り巻くガスは薄く方向によっては展望が得られた 山頂を別の角度から眺めた
山頂で休むうちにガスが薄れてきた 山頂にも陽射しが当たってきた 周囲も見えるようになってきた

先ほどまで全く見
えていなかった北
の方向が現れて、
そこに水晶岳を見


水晶岳が段々はっ
きり見えてきた

ガスに囲まれた山
頂に着いた

南の方向のガスは
なかなか薄れなか
ったが、徐々に槍
ヶ岳が見えてきた

槍ヶ岳がはっきり
見えるようになっ


槍ヶ岳を大きく見

北の方向に針ノ木岳も見えてきた 山頂で一時間半の長休憩をとった後、下山に移った 明るい鷲羽池を眺める
少し下ったとき、山頂を振り返った 前方に丸山までは見えるも双六岳はガスの中だった ガレ場を慎重に下って行く
足下にはずっと三俣山荘が見えていた また山頂方向を振り返った 西に姿を現したのは黒部五郎岳だった
ガレ場を下り終えて、後は緩やかな道だった ミヤマキンバイを見る 南には硫黄尾根が明るく見えていた
ハイマツ帯の先に三俣山荘の赤い屋根が見えていた 三俣山荘に戻ってきた 小屋の前からは午前と同じく鷲羽岳が良く見えていた

(←)
夕方が近くなっ
て小屋の前から
鷲羽岳を眺めた

 (→)
  同じく小屋の前
  から槍ヶ岳を眺
  めた