TAJIHM の 兵庫の山めぐり <石川県の山 
 
白山(御前峰) ごぜんがみね 2702.1m 白山市(石川県)
白川村(岐阜県)
 
1/2.5万地図 : 白山
 
【2024年9月】 No.2 2024-153(TAJI&HM)
 
    弥陀ヶ原より  2024 / 9

 日本三名山にも上げられる白山を登ったのは1999年の夏だった。快晴の下でスタートしたのだが、弥陀ヶ原に着く頃にはガスが広がってしまっていた。山頂に立つもガスの消える気配は無かった。そのガスが消え出したのは下山に移って弥陀ヶ原に戻ってきたときだった。何とも消化不良の登山になってしまった。そこで再度登って晴れの山頂を味わいたいとの思いを、ずっと持ち続けていた。それを漸く実行に移したのは25年後の2024年9月の第一週に入ってのこと。その週は連日晴れが続いており、土曜日が曇り予想になっていた。そこで前日の金曜日に白山登山を実行することにした。日帰り登山としたく、そうなると別当出合の駐車場は6時までにはスタートしたかった。そこで前夜は福井県の勝山市に宿をとった。
 6日の早朝、5時に宿を離れると、ごくスムーズに走れて、予定通り6時前に別当出合の駐車場に到着出来た。200台が止められる駐車場は既に八割方埋まっていたが、まだ余裕で車を止めることが出来た。今回のコースは前回と同じく往路コースは砂防新道コースとして、下山コースは観光新道コースを下ることにした。駐車場を離れると標識に従って登山道に入った。すぐに大型バス用の駐車場に出て、その先の遊歩道を登って広々とした所に出た。そこが登山口広場で登山センターが建っていた。バス便の終点位置でもあり、その位置で砂防新道コースと観光新道コースが分かれていた。砂防新道コースは直進方向で、大きな吊り橋を渡って登山コースに入った。朝の気温は18℃ほどで、快い涼しさの中を登って行く。平日のためか登山者は少ないようで、追いついたり追いつかれたりすることは少なかった。石の多いやや急坂が続くため、足が次第に重くなってきた。前回は軽快に登っていたので、やはり寄る年波には勝てないものだと思った。登山口から100分かかって甚之助避難小屋に着くと、小休止とした。登山者が多くおり、平日と言えども登山者はやはり多かったと思った。上空はほぼ快晴で、南東方向に別山がくっきりと眺められた。その先も石の多い急坂が続くため、何度か足を止めることになった。その途中で水源となる小さな沢を横切ることがあり、そこで飲んだ水は何とも美味だった。気になったのは前方の稜線は快晴だったが、その右手の山頂方向と思える辺りはガス雲が現れては消えていたことだった。山頂がガスに包まれている可能性があった。漸くの思いで黒ボコ岩に着いて、そこでも小休止をとった。そこが観光新道コースの合流点だった。黒ボコ岩を過ぎると、すぐに現れたのが弥陀ヶ原だった。草原に木道の続く風景が広がり、その先に白山山頂が伸びやかな姿を見せていた。ガスの心配をしていたが、杞憂だったようで一安心だった。この風景を見たかったとの思いで弥陀ヶ原を歩いた。山頂はガスに閉ざされることもあったが、すぐに姿を現した。室堂へはまだ五葉坂が待っていた、すっかりゴーロ道となっており、石伝いを続けながら登った。何度か休憩を取りながらで、ときにガスが広がることがあった。ようようの思いで白山室堂ビジターセンターの前に着いたときは、駐車場を離れてから4時間近くが経っていた。ビジターセンターは山小屋も兼ねており、改めて大きな山小屋だと思った。その室堂センターを通り抜けた先の広場で少し長めの休憩をとった。前方に見えているのは白山の最高点となる御前峰で、どうもガスに隠されているときが多いようだった。そのうちにすっかりガスになるのではと、少々心配になってきた。それでもガスが消えて山頂がくっきり現れるときもあり、そのタイミングで山頂に向かった。鳥居を抜けて山頂への登山道に入った。始めは易しい石段道だったが、また石ころが増えてきて歩き難さが出てきた。そうなると足どりは再び重くなってきた。最後は一歩一歩牛歩の歩みとなって山頂に着いた。山頂への道に入ってからはガスの広がることは減っており、山頂はすっかり明るかった。どうやらリベンジ登山は成功したようだった。大汝峰も剣ヶ峰もくっきり見えており、足下には紺屋ヶ池が青い色で眺められた。その山頂で休む間に何度かガスに巻かれることがあったが、暫くすると青空が戻ってきた。その山頂から南の方向を見ると、足下の室堂センターこそ見えるものの、ほぼ雲海の世界だった。西も雲海、東も雲海だった。その東の方向で雲海の上に頂を見せている山があった。良く見ると北アルプスのようで、その中でも高峰である奥穂高岳、槍ヶ岳、立山の山頂のようだった。それもすぐにガス雲の中となった。ガスの広がっているときが増えたため、30分ほどの休憩を終えると、室堂センターへと引き返した。そしてセンター前の広場で昼休憩とした。その広場から見る御前峰はずっとガスに隠されていた。上空もガス雲だった。昼休憩を終えて下山に移っても晴れる気配は全く無かった。弥陀ヶ原まで下りてきてもガスの中での木道歩きだった。そして予定通り黒ボコ岩の位置から観光新道コースに入った。その観光新道については前回の登山で易しいコースとのイメージを持っていたのだが、どうも違っていたようだった。緩やかに下って行くものの石が多くあり、小さなアップダウンも何カ所かあって、易しいコースとは言えなかった。ただ砂防新道コースよりも高山植物は多いようで、9月に入ったと言えども多くの花が咲いていた。また展望も良く、南から西へと広く眺められる展望コースだった。その観光新道コースの途中に建つのが殿ヶ池避難小屋で、当然小休止をとった。その先も歩き難い緩やかな尾根が続き、その途中で岩が多く集まっている所が現れた。そこの岩の一つは潜って通ったが、仙人窟の名が付いていた。その当たりもアップダウンが多かった。別当坂分岐にようようの思いで着くと、南へと急坂が始まった。足下に注意を払いながら下って行く。その途中で笹刈りの作業者と出会ったが、その人たちのおかげで少しは歩き易かったようである。地図では作業道と交差しているように見えたが、作業道はトンネルになっていたようで、作業道に会わないまま下りは続いた。なかなか急坂が終わらないと思っていると、樹林を通して建物が見えてきた。それは別当出合の登山センターで、程なく登山口に下り着いた。何度も休憩をとっていたので、室堂から3時間半かかっていた。砂防新道コースも十分疲れたが、観光新道コースはそれ以上に疲れたのではと思った。それでも十分に楽しめた白山だった。
(2024/9記)
<登山日> 2024年9月6日 6:00別当出合駐車場スタート/6:09〜13別当出合登山センター/6:48〜53中飯場/7:58〜8:07甚之助避難小屋/9:15〜23黒ボコ岩/9:47〜10:00室堂センター/10:43〜11:15頂/11:44〜12:00室堂センター/12:21黒ボコ岩/13:03〜15殿ヶ池避難小屋/13:53仙人窟/14:18別当坂分岐/15:27別当出合登山センター/15:38別当出合駐車場エンド。
(天気) 午前は快晴。往路の樹林帯の気温は17℃ほどだった。山頂は25℃だった。ガスがかかると20℃ぐらいまで下がった。風は強くは無かったが涼しかった。視界は良かった。午後は上空にガス雲が広がり、曇り空へと変わった。観光新道の気温は20℃ほどだったが、下るほどに蒸し暑さが増してきた。
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6時前に別当出合の駐車に着いた まだ余裕で止められた 上空を見ると、ガス雲は無く薄雲を見る程度だった まずは晴れの下でのスタートとなった 駐車場には登山道のある方向が示されていた
登山道に入った すぐに現れたのは、大型バス用の駐車場だった その先に登山道の続きを見た
まだ遊歩道を歩く雰囲気だった 広場に出た そこに別当出合のバス停を見た 別当出合登山センターを見た
登山口の標識があり、前方に吊り橋を見た 鳥居を潜った 鳥居の先で左手に分かれたのが観光新道だった
砂防新道へと向かうと、吊り橋を渡った 吊り橋から別当谷を眺めた 吊り橋の先から自然な山道が始まっていた
始めは易しい道だった 木道の部分があった 上り坂に入った
樹林の雰囲気は悪くなかった 石がごろごろして歩き難い所があった トイレ棟が建つ休憩ポイントに着いた 中飯場だった
登山道の続きに入った 甚之助谷が見えると高い位置まで工事が行われていた やはり石がごろごろしてきた
振り返ると南西方向の尾根が眺められた 前方が眺められると、山頂方向にガスを見た ダケカンバ林を見る
木道部分も現れたが 概ね自然な道を登った 甚之助避難小屋に着いて一休みとした

(←)
小屋は好展望地で
もあった

 (→)
  別山がちらりと見
  えていた
小屋を正面から見た 標高1970m地点だった 休憩を終えて山頂を目指す 展望が良くなってきた トリカブトの花を良く見た

別山の尾根が甚之
助避難小屋で見た
ときよりもすっき
りと眺められた

左の写真に写る甚
之助避難小屋を大
きく見る
前方のガスが少なくなってきた 斜面をトラバースしているとき、二度水場を横切った 登山道の傾斜が増してきて、何度か足を止めた
黒ボコ岩が近づいてきた 黒ボコ岩で観光新道が合流した 黒ボコ岩を間近で眺めた

黒ボコ岩の先が弥
陀ヶ原だった

いきなり長閑な風
景となった 期待
していた山頂の展
望も楽しめた

ずっと木道を歩い
て弥陀ヶ原を横切
った
室堂平へは五葉坂が待っていた 室堂平まで100mほど登ることになった ハイマツ帯の中を登っていると、前方をガスで閉ざされることがあった そこも石がごろごろしており、歩度は鈍った

(←)
ビジターセンター
に着いた

 (→)
  正式名は白山室堂
  ビジターセンター
  だった

ビジターセンター
を通り抜けて、広
場で休憩した

ガスが山頂を隠す
ことが多かった

休んでいると山頂
がすっきりと現れ
ることがあった
白山比盗_社のそばから山頂への道が始まっていた 始めは遊歩道だった 緑がかった石が現れた 「青石」の名が付いていた

石の上を歩くよう
になった

高天ヶ原に着いて
山頂を見上げた

その辺りで中間地
点だった
石がごろごろしたまま山頂に近づいた 振り返ると雲海が広がっていた 前方に石垣が見えてきた
石垣は奥宮を囲むものだった 奥宮の前を通って山頂に立った 一等三角点(点名・白山)を見る

(←)

北の方向がガスに
閉ざされることが
多かったが

 (→)
  何度かガスの消え
  ることがあった
紺屋ヶ池は良く見えていた 南の方向は室堂平らは見えていたが、その背後は雲海の世界だった

東のガスが薄れた
とき、高峰が姿を
現した

北アルプスのよう
だった

左の写真の中、右
側部分で姿を現し
ていたのは奥穂高
だった

上の写真の中央部
を見ていると、ガ
スが薄れたときに
現れたのは槍ヶ岳
だった

槍ヶ岳の左手で姿
を見せていたのは
立山だった
ガスが広がってきたことで、室堂に戻ることにした 登山者は少なく、易しい感じで歩けた 室堂辺りのガスも増えているようだった
下山は高山植物を愛でる余裕があった ヤマハハコが咲いていた イワキキョウを見る
特定出来ないが、オオカサモチかと思えた ナナカマドの実をよく見た ビジターセンターが近づいた
ビジターセンターに着いて昼休憩とした 山頂はすっかりガスに閉ざされてしまった 休憩を終えてビジターセンターを離れた
五葉坂のハイマツ帯を下って行く ガスの弥陀ヶ原を歩く 木道のそばにヤマハハコをよく見た
こちらはヨメナだった ガスは辺りにも漂いだした 黒ボコ岩の分岐点に戻ってきた
観光新道コースに入った 花をよく見かけた マツムシソウを見る ミヤマキンバイが咲いていた
蛇塚の標識を見る ハクサンフウロはよく見かけた シモツケソウが咲いていた
緩やかな道ながら歩き難さがあった こちらはカライトソウのようだった ガス帯を抜けて、前方に殿ヶ池避難小屋を見た
殿ヶ池避難小屋に着いて休憩とした 小屋の前は展望地だったが、前方阿はガスだった 足下の方向は良く見えていた
小屋の近くに小さな池を見た 下山を再開する 周囲の笹が少し刈られていた アキノキリンソウが咲いていた

(←)
前方の尾根がはっ
きり見えるように
なった

 (→)
  左の写真に写る尾
  根を大きく見る
緩やかな尾根だったが、前方に小さなピークを見る その辺りは「七ツ坂」の名が付いていた 振り返ると、やはりガスが尾根を隠していた
その辺りはリンドウをよく見かけた まだ先に小さなピークを見た 岩場が現れると、岩場は「餓鬼ヶ咽」の名が付いていた
岩場を潜る所があった 「仙人窟」だった 左手は別当谷だった 作業道が付いていた まだ尾根の下りが続く 笹の中の階段道だった
漸く別当坂分岐に着いた あと2kmだった 尾根を離れて急坂下りに入った 「喜市郎坂」だった 石ころの急坂もあり、少し厳しさがあった
倒れた木を跨ぐこともあった 易しい道を歩けるようになった 下るうちにトンネルとなった作業道を越えたようだった
休憩ポイントのような所が現れた あと600mだった ジグザグ道で森の雰囲気の中を歩いた 別当出合の登山センターが見えてきた
観光新道コースの登山口に下り着いた 室堂から3時間半かかっていた 登山センターに近づいた まだ駐車場への道が残っていた 駐車場への遊歩道に入った
駐車場が見えてきたが、こちらの駐車場はその先だった 駐車場にもどってきた 見上げる空はすっかり曇り空だった