天狗山を2003年に登ったときは、中島篤巳氏の「岡山県百名山」を参考に南麓の八幡宮からのコースをピストンしたものだが、最近のガイドブックを見ると、往路はその八幡宮からのコースだったが、下山路として尾根を西へと歩いて、三ツ池から南へと谷筋を下るコースで紹介されている。そこで2回目の天狗山を考えたとき、その周回コースを歩こうと決めた。
向かったのは2013年4月の第三土曜日。今回はパートナーは同行出来ず、単独行として向かった。問題は駐車場所で、やはり八幡宮の周辺は狭く、結局はずっと西へ行って、廃墟となったアパートの敷地内に止めた。八幡宮からは遠かったが、下山コースの登山口に近い位置だった。そこより地区内を抜ける細い車道を東へと歩いて行った。八幡宮の鳥居まで14分だった。朝の空は快晴だった。気温は13℃と少し低めながら、風が無いためTシャツ一枚で気持ち良く登って行けた。登山道は古くからの道とあって、良く歩かれている印象だった。ただ道が固くなって滑り易い所があり、そこは足下に注意して登った。登るほどにシダが増えてきたが、登山道に被さるようなことは無かった。登るほどに急坂になってきて、露岩の部分にはロープが付けられていた。その辺りでは後方に展望が広がって、日生諸島の背後には小豆島も眺められるようになった。急坂が終わるとその先はごく緩い道となり、漸く山頂が望めるようになった。山頂までも特に問題は無く、軽いハイキングだった。山頂手前の360mピークはガイドブックでは前山となっていたが、小天狗の標識が付いていた。鳥居の位置からおおよそ1時間で山頂に着いた。山頂は岩場になっており、その岩に四等三角点(点名・天狗山)が埋め込まれているのだが、三角点としては珍しいことだった。山頂は前回と変わらず好展望が広がっていたが、ただ快晴だった空はその頃には薄晴れ程度の空になっており、青空があってもごくうっすらとしていた。その空の下で展望を楽しんだ。遠方はうっすらとしていたものの、それでも北の空には那岐山に後山と、岡山県北辺の山が眺められた。東には黒鉄山、南も小豆島が見えていた。この天狗山は旗振り山でもあったので、その旗振り台だったと思われる岩の上にも立ってみた。そこからは西に熊山が良く見えていた。山頂では早めの昼食を済ませると、展望に満足したことでもあり下山に向かった。下山は予定通り西へと尾根を歩いて行った。コースははっきりしている上に目印は確実に付いており、往路以上に気楽なハイキングだった。ガイドブックでは中峰、西峰と二つのピークを通ることになっていたが、どちらもごく小さなピークなので、ピークに立つと言うよりも単に通過する感じだった。尾根からは天狗山の姿が良く眺められた。西峰を過ぎると足下に三ツ池の中の奥池が望めるようになった。その奥池へと下って行く。湖面が明るいブルーで見えていた。奥池のそばからは林道に合流した。そこでも標識があって、それに従って南へと歩いた。奥池の西向かいが中池で、少し下ると三つ目の池となる下池が現れた。そのそばから再び登山道を歩くことになり、コースは沢沿いを続いていた。沢の中を歩くこともあったが、水の少ない時期のため今は枯れ沢になっていたので、問題無く下って行けた。その沢筋の道も目印がずっと付いていた。最後は畑地に出て、その辺りからぽつぽつと住宅が見られるようになった。登山口標識はあるものと思っていたのだが見当たらず、登山道から自然と普通の道に変わっていたので、ここがコースであるのかは分かり難いと思えた。やはり下山路として歩くのが正しいようである。その集落に入った地点から駐車地点までは数分の距離だった。
(2013/5記)(2021/3改訂) |