TAJIHM の 兵庫の山めぐり <香川県の山
 
我拝師山    がはいしやま 481.2m 善通寺市(香川県)
筆ノ山        ふでのやま 295.7m
香色山        こうしきざん 157m
 
1/2.5万地図 : 善通寺
 
【2013年9月】 No.1 2013-75(TAJI)
   (その2) 香色山より  2013 / 9

 善通寺市は何と言っても四国霊場第七十五番札所の善通寺が有名だが、その善通寺の西に五つの峰が並んでおり、五岳山として善通寺の山号にもなっている。その五山のうちの香色山、筆ノ山、我拝師山がガイドブックの新・分県登山ガイド「香川県の山」に紹介されていた。そしてコースとしてはJR善通寺駅が起点であり、終点になっていた。
 2013年の9月は仕事の関係で2週間ほどを香川県の琴平町に滞在していたが、その琴平町への移動日が14日の休日だった。そこで少し早めに現地に着いて、そちらでハイキングを楽しむことにした。JR琴平駅の一つ手前が善通寺駅であったので、そこでガイドブックを参考に駅を起点に香色山、筆ノ山、我拝師山の三山のハイキングを実行することにした。善通寺駅に降り立ったのは午前の10時半過ぎ。台風18号が近づいており、予定では翌15日の朝に四国沖を通過することになっていた。そのためか空気は生暖かく、湿気をたっぷり含んでいる感じだった。善通寺駅の前に立つと、駅前通りは西に真っ直ぐ伸びており、その先に頭をもたげたような形の山が見えていた。それが我拝師山のようだった。湿度が高いためか視界はうっすらとしており、我拝師山も薄ぼんやりと見えていた。整然とした駅前通りを1.5kmほど歩くと丁字路となり、そこを右に曲がると、善通寺の南大門は目の前だった。立派な五重塔も見えていた。五山の始めに香色山を登るのだが、その登山口へは善通寺の境内を抜けて行くことになる。善通寺は大寺院の風格が有り、大勢の参詣者で賑わっていた。広い境内をコの字に曲がって進むと、境内を抜けて駐車場に出た。その先に見えるこぢんまりとした山が香色山だった。香色山は山頂まで遊歩道が通じており、その遊歩道はほぼコンクリート舗装とあって、散歩をする感じで歩いて行けた。そして登山口から20分ほどで山頂に立てた。石仏が置かれた山頂は樹木が少ないもののあまり展望は良いとは言えなかったが、少し下がった所に展望台があり、そこからは讃岐平野が一望だった。視界が悪いのは残念だったが、そのうっすらとした視界の中に飯野山が何とか確認出来た。展望と言えば山頂から西に、筆ノ山と我拝師山の並ぶ姿が間近に眺められた。次は筆ノ山を目指すのだが、山頂から筆ノ山方向に向かう道があり、そちらは遊歩道では無く、ごく普通の山道だった。それを辿って下ると、香色山の山裾を巡るミニ八十八ヶ所の遊歩道に出た。その遊歩道を左手へと下って車道に下り着いた。その後は車道のままに歩いて西へと進むと、程なく筆ノ山の平谷登山口が現れた。それを見てそこから登って筆ノ山に立つことにした。少し傾斜のきつい所もあったが、里山道の雰囲気があり、無理なく登って行けた。そして尾根に出て程なく大坂峠からのコースに合流した。そこからは北の方向に山頂を目指して尾根道を辿った。最初は問題なく登っていたのだが、樹木が少なくなって強く陽射しを受けるようになった。更に登山道の傾斜が増したことで、蒸し暑さもあって急速にバテてきた。足取りは重くなり、のろのろと言った感じになりながらも何とか筆ノ山の山頂に立った。山頂の木陰に入ると、そこは涼しい風が通っていたので、とにかくじっとして体力が回復するのを待った。そして人心地がついたところで、漸く体を起こした。筆ノ山の山頂には四等三角点(点名・筆之山)が置かれていた。その位置こそ展望は悪かったが、そこより登ってきた方向に戻ると、我拝師山が大きく聳えているのが眺められた。その右手には雨霧山の尾根も望めた。展望をひととき楽しんだ後は、登ってきた道を引き返す形で下山を開始した。この下山では大坂峠コースをずっと下って大坂峠に下り立った。そこは車道を挟んで我拝師山の登山口が向かい側に見えていた。ガイドブックではそのコースは紹介されておらず、我拝師山の山裾を巡って、西側から登ることになっていた。ここまででバテ気味だったことでもあり、時間のかかるガイドブックのコースは歩かず、目の前の大坂峠から始まる道を登って行くことにした。その大坂峠コースがけっこう厳しかった。我拝師山はすっくと立つ姿だけに、途中からは急坂登りが続くことになった。おまけに蒸し暑いとあって、一度は回復したかに見えた体が筆ノ山の山頂に立ったとき以上にバテてきた。堪らず何度も小休止を繰り返しながら登った。「山頂まで15分」と書かれた標識が立つ地点まで来たとき、そこはちょっとした展望台になっていたので、そこでは長い休憩もとった。その先で漸く傾斜は緩んできたものの、バテた体にはきつく、何とものろのろとした歩みになってしまった。それでも山頂は近いとの思いで、何とか登りきって山頂に立った。登山口から1時間かかっていた。その山頂は陽射しが当たっていたため、木陰を求めて、そこで体を横たえた。暫くはじっと死んだ状態になっていた。じっとしていると、ときおり涼しい風を受けることが出来て、徐々に体力が戻ってきた。漸く周囲を眺める余裕が出てきたが、この我拝師山の山頂からの展望はほとんど無かった。それでも山頂に立てたことだけで満足だった。歩けるまでに体力が戻ったところで、下山開始とした。下山は登ってきた大坂峠コースを引き返した。下山は休まず急斜面をどんどん下ったため、山頂から大坂峠までは30分と登りの半分の時間で下りて来られた。後は峠を通る車道を北へと下った。麓が近づくと公園のような所が現れて、そちらの小径を辿った。そこは「善通寺五岳の里 市民集いの丘公園」で、立派な管理棟も立っていた。管理棟の中に入ると冷房がよく効いており、暫くの間、ほてった体を冷やすことに専念した。もう麓に下りてきたのだが、ゴールは善通寺駅なので、そこからも長かった。筆ノ山の山麓をずっと歩いて善通寺に戻り、そこを抜けると駅前通りを最後に歩くのだが、市民集いの丘公園から善通寺駅までは、ほぼ一時間かかることになった。結局この日は6時間近くもハイキングすることになり、十分過ぎるほど疲れて善通寺駅で琴平駅行きの電車を待った。
(2013/10記)(2021/2改訂)
<登山日> 2013年9月14日 10:44善通寺駅スタート/11:03善通寺南大門/11:14香色山登山口/11:36〜53香色山/12:05車道に出る/12:09筆ノ山平谷登山口/12:25大坂峠コースに合流する/12:32〜46筆ノ山/13:04大坂峠/13:40〜46「山頂まで15分」地点/14:04〜26我拝師山/14:55大坂峠/15:11〜23市民集い丘公園休憩所/16:01善通寺南大門/16:20善通寺駅エンド。
(天気) 薄曇りから薄晴れへと変わってきた。麓の気温は32℃ほどあったが、林の中に入ると28℃まで下がっていた。但し、かなりの蒸し暑さだった。香色山の山頂では強く陽射しを受けて、気温も33℃まで上がっていた。視界はごくうっすらとしており、遠くは全く見えていなかった。その後は薄晴れと薄曇りを繰り返していた。風はほとんど無かったが、筆ノ山、我拝師山の山頂では、涼しい風を受けた。善通寺駅に戻ってきたときは、どんよりとした曇り空に変わっていた。
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スタート地点はJR善通寺駅だった 駅前に立つと我拝師山がごくうっすらと眺めら
れた
駅前通りを歩き出すと、善通寺までは1kmだ
った
整然とした駅前通りだった 駅前通りは丁字路で終わった ここは右に曲がる 前方に善通寺の南大門と五重塔が見えていた
南大門の前に立つと、山号は五岳山だった 善通寺東院の広い境内を歩いて行く
修行中のお坊さんが目の前を歩いて行った 善通寺西院の仁王門へと近づいた 西院を抜けて行くと、正覚門が見えてきた

 正覚門を抜けて済
 世橋を渡っている
 とき、前方に香色
 山を見る
駐車場を抜けて香色山に近づいた 車道を横切った先が香色山の遊歩道だった 遊歩道を歩くと、すぐに登山口標識が現れた
山頂へ向かう遊歩道に入ると、程なく延命地蔵
尊のそばを通った
遊歩道を散歩感覚で歩いて行った 遊歩道に立つ標識には山頂までの細かい距離が書
かれていた この標識は山頂まで616mだった
つづら道のコーナーは休憩が出来るようになっ
ていた
その休憩ポイントでは足下に善通寺の境内が望
めた
北には甲山も見えていた
登るうちに少しずつ陽射しを受けるようになった 香色山の山頂が間近になった 最後は階段道になっていた
山頂は広く開けていた 正し周囲の樹木が展望を妨げていた 山頂のすぐ近くに東屋があり、そこは展望が良かった
展望台からは讃岐平野が一望だった 但しこの日の視界は濁りが強く、遠方は判然としていなかった 飯野山は眼を凝らさないと確認出来なかった
山頂に戻ってきて、山頂を東側から眺めた 中央には石仏が並んでいた 山頂に立って、我拝師山と筆ノ山の並ぶ姿を見る
山頂からは筆ノ山に向かう山道が始まっていた その道を下り始めると、筆ノ山を見ることがあ
った
少し下ると、優しげな道になった
下って行くと、ミニ八十八カ所の遊歩道が見え
てきた
その遊歩道を歩いて更に下った 山裾を巡る車道に出て、筆ノ山に向かった
振り返ると、香色山の頂が望めた 程なく現れたのは、筆ノ山の平谷登山口だった 登山口からは少しマイナーな登山道が始まっていた
 
登るうちにコースが不明確になったので適当に
登った
尾根に出ると標識が立っており山頂まで25分
だった
木立が程良い木陰を作っていた
大坂峠コースに合流した 山頂まで15分だっ
陽射しを受けながら登るようになって、バテて
きた
ちょっとバテ気味で山頂に着いた
山頂の四等三角点(点名・筆之山)を見る 三角点の位置こそ展望は良くなかったが、登ってきた方向に少し戻ると、好展望の場所があった
北麓には「市民憩いの丘公園」が見えていた 山頂に咲くのはセンニンソウのようだった 15分ほどの休憩で、登って来た道を引き返した
下っていると南東に大麻山が望めた この下山では大坂峠コースをずっと歩いた 下るうちに自然林の優しげな尾根となった
大坂峠が見えてきた 大坂峠に下り立って、筆ノ山の登山口を見る 道路を挟んで向かい側が我拝師山の登山口だった
我拝師山の登山道は始めは緩やかだった 次第に登山道の傾斜は増して、ロープも現れた 登山道のそばでキキョウを見かけた
急坂の露岩では慎重に登った 急坂が続くようになって、急速にバテてきた 山頂まで15分地点に着いて一休みとした
そこは好展望地でもあったが、相変わらずモヤの強い視界だった 山頂への登りを続ける
尾根は緩んできたが、もうバテバテで歩いた 大坂峠から1時間かかって我拝師山の山頂に着
いた
我拝師山の三等三角点(点名・禅定山)を見る
展望の悪い山頂だったが北に僅かだが展望があ
った
但し、モヤのためにほとんど何も見えていなか
った
改めて山頂を眺めた
下山は登って来た大坂峠コースを引き返した 急坂を休まず下ると、大坂峠まで約30分だった 峠からは車道を北へと下って行った
右手に筆ノ山が望めた 途中から車道を離れて「市民集い丘公園」に入
った
園内の遊歩道を下っていると前方に天霧山が望
めた
管理棟に近づいた その中で暫く休憩とした 十分に休んだ後、「市民集い丘公園」を後にした 公園の外に出て二つの山の並ぶ姿を眺めた
筆ノ山の山裾道を東へと戻って行った 途中で出会った弘階池のそばに立ってみると、
天霧山の姿が眺められた
山裾道を歩いていると、前方に見えてきたのは
甲山だった
山裾道が南に向きを変えると香色山が見えてきた 済世橋を渡って善通寺の境内に入った 境内を抜けて行った
五重塔を見上げながら南大門に近づいた 最後に駅前通りを歩いた 善通寺駅に戻ってきた