TAJIHM の 兵庫の山めぐり <石垣島の山 
 
野底岳 (野底マーペー) 281.6m 石垣市(沖縄県)
 のそこだけ     ぬすくまーぺ
1/2.5万地図 : 伊野田
 
【2011年1月】No.1 2011-11(TAJI&HM)
 
    多良間公民館のそばより  2011 / 1

 石垣島で有名な山となれば、沖縄県最高峰となる於茂登岳は別格として、その次は小粒ながら野底岳になるのではと思われる。そのマッターホルン状の特異な風貌は、一度見ればずっと記憶に残りそうな山だった。2011年1月の石垣島山行では、当然、於茂登岳と野底岳は登ろうと考えていた。その二つの山の登山日を二日目の山と考えていたのだが、その21日の天気予報は、近づくにつれどんどん悪化して、前日には終日雨の予想となってしまった。降ったり止んだり程度なら実行するつもりだったが、21日朝の天気は予想よりも悪かった。雨の降り方は強くはなかったが、強風が吹いており、その風で雨は横から飛んできた。そこで、この日は予定していなかった観光をすることにした。石垣島はヒシャクの形をしており、ヒシャクの柄になる部分が細く北に突き出ている。その先端の平久保崎までドライブすることにした。雨のドライブである。石垣港のそばのホテルを離れて市街地を抜けると、後は国道390号線を北へと走った。白保を過ぎると、車はぐんと減ってきた。それは良いのだが、島の人はのんびりしていると言うのか、遅い車が多く、ときに30kmほどの速度で走る車が現れるのにはまいった。雨は止むことは無く降り続いており、風景も煙ったままだった。途中の玉取崎展望台で車を止めたが、もう横殴りの雨だった。これはずっと続くのかと思っていると、その後は次第に収まって、平久保崎に着いたときは風は変わらず強かったが、雨は小粒程度になっており傘が無くとも歩けた。きれいな海をひとしきり見た後引き返すことにした。そして伊原間まで来たときは、雨は止んでいた。その伊原間で湾を挟んで対岸に見えたのが野底岳だった。その鋭鋒を見て瞬時に野底岳と分かった。その姿を見たことでもう登る気になっていた。時計を見るとまだ10時を過ぎたばかりなので、時間はたっぷりあった。県道79号線を走って野底集落に入ると、すぐに野底岳の標識が現れた。それに従って農道に入るとすんなりと登山口に着いた。ほかに車は見なかった。登山口の前には数台分の駐車スペースがあり、そこに駐車とする。空を見ると一時は薄い色になっていた曇り空は、再び黒みを増していた。また雨が降り出すかも知れなかった。登山口に入ると、始めは東の方向へと歩いて行く。登山道ははっりしており、標識も付いていた。やはり有名山だけに整備されているようだった。やがて野底岳の北側辺りまで来たのか、登る方向が南へと変わった。雨が降っていただけに、登山道はぬかるんだ所や濡れて滑り易くなっている所があり、また赤土の露出した所も現れた。そこは一段と滑りそうで、慎重に登った。前日に登った屋良部岳と同じく、周囲は鬱蒼とした亜熱帯樹林で、こちらの方が大きな木が多いように思われた。低山とは思えない濃い樹林帯だった。少し坂になった所にはロープが張られていたが、無くとも登って行ける程度の坂だった。そのうちに雨粒が落ちてきた。やはり雨になるようだった。急坂では水の流れになっている所もあり、そこも滑り易かった。もうだいぶ登ったのではと思われたとき、左手から別のコースが合流した。近くを走る林道からのコースのようで、標識には林道から6分と書かれていた。何とも簡便なコースがあったものである。そのコースが合流してから本格的な急坂が始まった。その姿からして当然山頂手前は急坂となるのだが、ただひたすらロープを頼りに登って行く。おまけに雨が強くなってきた。風も受けるようになり、けっこう厳しいと言えた。ずっと急坂なので山頂はまだかと気になり出した頃、大岩群が眼前に現れた。その間を登ったり巻くように登って、ようやくの思いで山頂に出た。そこはもう嵐の状態だった。とにかく強い風と横殴りの小雨で、立っているわけにもいかず、岩陰で暫しじっとしていることにした。気温は18℃と低くは無かったが、強い風のために、体感温度は15℃以下に思われた。することも無いので、岩陰で昼食をとることにした。その昼食の間に雨は霧粒程度となってきた。そこで岩の上に出ると、もう360度としか呼べない眺望が広がっていた。まさに絶景だった。南の方向は雨に煙っていたが、他の方向はけっこうすっきり見えており、足下の海の色が、鮮やかなエメラルドブルーだった。風の強さは変わらなかったが、それに負けじと岩にしがみついて展望を楽しんだ。雨はその後は霧粒以上になることは無く、むしろ止んでいるときが長くなってきた。おかげで過ごし易くなり、山頂にはずるずると50分ほどとどまっていた。そして下山を始めることにしたが、時計を見るとまだ12時を少し回った時間だった。下山は登ってきた道を引き返す。長く感じた山頂直下の急斜面は、下るとなると早く、すぐに林道コースとの分岐点に着いてしまった。その林道は急斜面を下っているときに、意外な近さで見えていた。それは舗装林道で、そのあまりの近さに少し違和感を覚えた。やはりこの鋭鋒は麓からじっくり登ってこその達成感ではと思った。その後もずんずん下ると、35分で下山は終わった。駐車地点に戻ると、そこからも野底岳の山頂が鋭く眺められた。麓には強い風は無く、山頂の厳しさがもう遠い世界に感じられた。山頂を見上げながら、300mに満たない小さな山なのにちょっぴりハードさがあり、思っていたよりも充実感を持てて良かったと、ありがとうの気持ちで暫し眺めていた。
(2011/2記)(2019/2写真改訂)
<登山日> 2011年1月21日 10:40スタート/11:15林道コース合流点/11:24〜12:14山頂/12:49エンド。
(天気) スタート時は曇り空だったが、山頂が近づいて、小雨が降り出した。山頂は強風で、その風が小雨を横殴りで降ってきた。ただ暫くすると霧粒程度となり、ときに小止みになった。気温はふもとでは20℃ほどだったが、山頂では18℃まで下がっていた。ただ体感温度は15℃以下に思えた。風の中では寒さを感じたが、岩陰は過ごし易かった。視界は雨が降っていると煙っていたものの、小止みになると、まずまずの見え方になった。下山中は雨は止んでいた。
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この日は雨のため登山は止めて観光に切り替えると北
へと向かった その途中、玉取崎展望台に立ち寄った
展望台から北に金武岳を望む 横殴りの雨だった 石垣島の北端、平久保崎に着いた 雨はぱらつく程度
になっていたが他に車は見なかった

平久保崎に立って
島の最北端の風景
を眺めた
足下に見えていたのは平久保崎灯台だった 灯台のそばまで下りてみた 雨の日でも海の色はきれいだった
南へと戻っていると、伊原間湾を挟んで野底岳が頂を
見せていた
左の写真に写る野底岳を大きく見る その鋭い姿を見
て多少の雨なら登ることにした
野底集落に入ると、案内標識が現れた それに従って
野底岳に向かった
農道を走って野底岳に近づいた 登山口に着くと、その近くに駐車とした 登山道は始め緩やかな道で続いた
小さな流れを越えて行く 概ね登山道は歩き易かった 登山道が水の流れになっている所があった

登山道の周囲は
緑濃い亜熱帯樹
林だった

赤土がむき出しの
急斜面を登ること
があり、けっこう
滑り易かった

登山道には案内
標識がよく見ら
れた

山頂手前の急坂が
始まるとき、左か
ら林道コースが合
流した
急坂が始まると、ロープを伝って登った 急斜面は50mほどだったが、長く感じられた 山頂が近づいてツワブキの花が目に付いた

登山道には案内
標識がよく見ら
れた

雨と強風にたまら
ず岩陰に逃げ込む
と、そこに地形図
に載っていない三
角点を見た
強い風と雨を避けながら岩陰でじっとしていたが、少し風が弱まったとき、岩陰から展望を楽しむ 東から南にかけてを眺める
雨が収まったタイミングで、一番高い位置の岩の上に立った 西から北、東と遮るものの無い展望を楽しんだ 但し強風を我慢しながらだった
   
海の色が美しかった 北の安良岳はずっと雲に隠されていた 南の空は雨が続いているようで、視界は悪かった
下山は登ってきたコースを引き返した 急斜面から意外な近さで林道が見えていた 鮮やかに咲いたツワブキの黄色いを見る
下山は滑らないようにいっそうの慎重さで下った 周囲の木立に南の島にいることを実感させられた 登山口が近くなると、登山道は緩やかになった
突然、大きなキクラゲを登山道のそばに見た 下山を終えて駐車地点のそばから山頂を見上げる 左の写真の山頂部を大きく見る