◆ TAJI&HM の 兵庫の山めぐり <沖縄県の山> ★ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
古見岳 こみだけ | 469.5m | 竹富町(沖縄県・西表島) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1/2.5万地図 : 美原 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【2020年1月】 No.1 | 2020-13(TAJI&HM) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
相良川コースの標高300m辺りより 2020 / 1 |
西表島は沖縄県では沖縄本島に続いて二番目に大きな島で、島の70%が山岳地帯となっている。500mを越す山こそ無いものの400m以上の山は幾つもあって、遠くから西表島を眺めると台形状の姿で眺められる。但し登山対象とされるのは最高峰の古見岳とそれより少し低いテドウ山ぐらいのようだった。そのうちの古見岳は分県登山ガイド「沖縄県の山」で紹介されており、一度は登ってみたいと考えていた。それを実行することにしたのは2020年1月中旬のことだったが、晴れの天気で登りたく天気予報を慎重に検討した結果、22日を登山日と決めた。その決定は6日前の16日で、すぐに飛行機、ホテル、レンタカーの手配をした。 石垣空港に降り立ったのは1月21日の10時20分で、石垣島の空は快晴だった。すぐに石垣港に移動し、昼食を済ませると13時発の西表島大原港行きの連絡船に乗り込んだ。乗船時間は35分ほど。西表島の空も快晴だった。西表島に上陸すると港に近いレンタカー店で車を受け取り、最初にしたのは沖縄森林管理署大原森林事務所へ入山届けを出すことだった。その森林事務所を捜すのに少し手間取ったが、分かってみれば何のことはないレンタカー店の向かいが森林事務所だった。そこで得たアドバイスは、古見岳に関しては目印テープがあるので迷うことは少ないこと、また徒渉地点が多くあるようでそれを心配されたが、登山靴しか用意していなかったので、登山靴で渡れないようであれば靴を脱いで渡る考えを伝えた。次に行ったのは登山口を捜すことだった。県道215号線を北へと向かって行くと、前良橋を渡ったとき左手前方に雄大な尾根が眺められた。後で分かったことはその見えている尾根の最高地点が古見岳だったようで、古見岳は海岸線から良く見える山のようだった。登山口はすぐに分かった。後良橋を渡ると上り坂に入り、小さな峠の手前で数台分の駐車スペースが現れた。そこが相良川コースの登山口駐車場で、林道の入口も確認出来た。その駐車場から南を見ると、ちょうど峠の位置に二つの無線塔(携帯基地局)が並んで立っているのが見えていた。これでこの日の予定は終了で、高那地区のホテルに15時半にチェックインすると、ひたすら体を休めることに専念した。 翌22日は曇り空で朝を迎えた。天気予報では晴れとなっていたので、そのうちに晴れて来るだろうと期待した。ホテルを離れたのは朝食後ひと休みを終えた8時前で、相良川コースの登山口駐車場には8時20分の到着となった。そこからの登山の様子はガイドブックに従ったことでもあり、下の写真帳をご覧いただきたい。今回の登山では山ヒル対策としてスパッツを用意したぐらいながら、コース対策としては地形図、コンパス、GPSを用意した。登山コースは始めは林道歩きだった。すぐに徒渉点が現れたが、そこは浅くその先も林道が続いていた。その後は次第に細くなって山道に変わってきたが、森林事務所で聞いた通りに目印テープが確実に付いていたので、けっこうスムーズに歩けた。徒渉点も何度も現れたが、多少水が深くても飛び石伝いで渡れることがほとんどで、靴を脱いで渡ったのは一度きりだった。そこは素足になり、膝まで浸かって渡った。なお靴を脱ぎたくないパートナーはおんぶして渡った。何ともスペシャルサービスだった。登山道の周囲はずっと亜熱帯林が続き、石垣島の山と雰囲気は似ていると思った。気温は16℃と適温で、けっこう良い感じで歩けた。沢筋を漸く離れて上り坂に入ったのは歩き始めてから80分後で、特に急傾斜でも無くしっかり登る感は悪くなかった。相良川沿いを歩いているときも、上り坂に入った後もずっと展望は無かったが、上り坂に入って25分ほど登ったとき、突然のように展望地が現れた。そこは東から南東にかけて広く開けており、小浜島が眺められた。また北東方向の山肌に小さな滝を見た。ちょっと気持ちは晴れやかになったが、上空に青空は見られなかった。その先もやや急坂の登りが続き、それが一度緩んだとき右手前方が開けた。そこにはこれから向かう尾根が見えており、その中で一番高いピークが古見岳のようだった。まだ山頂までは距離があった。その先で地形は少し複雑になり、一度は緩いながらも下り坂が続くことがあった。また迂回するように歩くことがあり、そのとき二匹の白いヤギに出会ったのには驚かされた。野生化したヤギのようだった。また小さな沢筋を歩くことがあり、水を踏んで歩いた。そこを過ぎると登山道の傾斜が増して、小さな滝のそばを通った。なかなか変化のある山歩きだった。その先で一登りすると、何と下り坂になった。これはおかしいとGPSで現在地を確認すると、山頂のそばを通り過ぎていたことが分かった。すぐに引き返すと峠の位置から北の方向に小径が分かれていた。それが山頂への道だった。小径はびっしりとリュウキュウチクに囲まれていたが、道ははっきりしていたので無理なく歩けた。そして数分も歩けば、ぽっかりと開けた山頂に出た。平らになった山頂には三等三角点(点名・高那岳)が置かれており、なぜかそのそばに石造りのイリオモテヤマネコが置かれていた。その山頂からの展望については、ガイドブックでは展望はあるとはあっても南東側や北側にあると書かれていたのだが、実際は本が出版されて以降に広くリュウキュウチクが刈られたようで、西にも広々と展望が開けており、重畳とした山並みが眺められて好展望の山頂に変わっていた。山頂に立って思ったことは、東の海岸線が近くに見えており県道も眺められて、この古見岳が麓からも良く見える山であることが分かった。上空は相変わらず曇り空だったが、北の空には少し青空が見えていた。またときおり上空の雲が薄れて柔らかな陽射しを受けることがあった。山頂で十分に展望を楽しんだ後は昼食もとったので、おおよそ50分ほど休んでいた。そして下山へと移った。その下山に入ったとき、二人の若い登山者に出会った。聞くと北麓側となるユチン川からのコースで登ってきたとのことだった。そちらも目印ははっきりしていたとのことだった、下山は歩いてきたコースを引き返すとあって、気分的にはずっと楽だった。時間はまだ12時を過ぎたばかりなので、十分に明るいうちに戻れると分かっていたので、急坂部分はとにかくゆっくりと下った。目印テープを追うだけでなく、GPSには往路で歩いたコースが記録されていたので、ときおりGPSでコースを外れていないかを確認した。そして相良川沿いを歩くようになると改めて徒渉点を慎重に渡った。最後の徒渉点を過ぎれば登山口まで5分ほどの距離だったが、その間で霧雨が降ってきた。雨具を準備していなかったので少し急ぎ足で戻ったが、その霧雨も登山口に着く頃には止むことになった。登山口に戻ってきたのは15時前。往路は3時間かかっており復路は2時40分間だったので、やはり古見岳は簡単には登れない山のようだった。天気に関してはほぼ曇り空だったため少々不満だったが、逆に暑さを感じずに登れたのでその点は良かった。とにかく西表島の大自然を終始味わいながらの登山であったことは確実で、十分に満足感を味わえた古見岳だった。ところで山ヒルに関してはスパッツのおかげで、スパッツに貼り付いている山ヒルは三度ほど見たが、血を吸われることは無かった。但しパートナーは一カ所吸われていた。沢沿いを長く歩いたことを考えれば、兵庫の山よりもむしろ少なかったかと思えた。 (2020/10記) |
<登山日> | 2020年1月22日 | 8:22相良川コース登山口スタート/9:42急坂に入る/10:07〜17滝の見える展望地/10:27山頂が見える位置/11:00小さな滝を巻く/11:22〜12:10山頂/13:05滝の見える展望地/13:33最後の徒渉点/14:46最初の徒渉点/14:52エンド。 | |
(天気) | ほぼ終日曇り空だった。気温は樹林帯で17℃。山頂も16〜17℃で風が強かった。その風は涼しく、登ってきた体には快かった。山頂に立ったときは少し青空が見えて、ときおり陽射しを受けた。視界はまずまず良かったが、石垣島はうっすらとしていた。下山を終える頃に少し霧雨が降ることがあった。 | ||
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