TAJIHM の 兵庫の山めぐり <沖縄県の山 
 
古見岳    こみだけ 469.5m 竹富町(沖縄県・西表島)
 
1/2.5万地図 : 美原
 
【2020年1月】 No.2 2020-14(TAJI&HM)
 
    前良橋より  2020 / 1

 西表島の最高峰、古見岳を登ったのは2020年1月の22日だった。ガイド本「分県登山ガイド・沖縄県の山」を参考にして相良川コースを登ったのだが、その日山頂を離れて下山に移ったとき、山頂近くで二人の若い登山者とすれ違った。聞くとユチン川コースを登ってきたとのことだった。ガイド本にはユチンの滝は紹介されているものの、その先も登山道があって古見岳に通じていることは書かれていなかった。今回の古見岳を登るに当たっては一日を予備日としており、22日に古見岳をスムーズに登れば23日は軽いトレッキングとしてマリユドゥの滝、カンピレーの滝と二つの滝を訪れる考えでいた。それが古見岳のユチン川コースを知って、出来るだけ登山をしたいこちらとしては、同じ山を登ることになるのだが、ユチン川コースの方に興味が急速に膨らんできた。15時前に相良川コースの登山口に戻って来ると、すぐにユチンの滝コースの登山口に向かった。ユチン橋を渡るとその先に数台分の駐車スペースがあるのを見たが、ユチンの滝に関する標識は全く無かった。その駐車スペースのそばに私有地があり、二人の若い人が草刈りをしていたので、ユチンの滝コースについて聞いてみた。駐車スペースは一般車も止めて良く、やはりユチンの滝を訪れるときは利用されているとのこと。またすぐ近くから登山道が始まっているとのことだった。ユチンの滝までの所要時間は一時間半ほどで、やはりその先も目印テープがあって古見岳まで行けることも確認した。それだけ知れば十分で、23日は改めて古見岳をユチン川コースで目指すことにした。前日と同じホテルに泊まり、23日は前日とほぼ同じ時間にホテルを離れると、ユチンの滝コースの登山口には8時半前に到着となった。この日は前日よりも天気は良くなっており青空も見られたが、それでも雲の多い空だった。そのユチン川コースの登山の様子は下の写真帳をご覧いただきたい。気温は少し高めで、前日より2℃は高いようで樹林帯の気温は18℃ほどあった。ユチンの滝までのコースは一般的な登山道歩きではと気楽に考えていたのだが、これがけっこうアップダウンがあり、しかもナメとなった沢筋を登ることがあって、一度足を滑らせて靴をすっかり濡らしてしまった。そのナメの先で出会ったのがユチンの滝だった。そこまで1時間半かかっていた。ユチンの滝は三段になっており、優美の言葉がぴったりの滝だった。これで滝の上に出れば後は川筋をのんびりと歩いて行けると考えていたのだが、これが大間違いだった。滝の上に出ると後はずっとユチン川に沿って歩くのだが、相良川のときと違って易しい登山道歩きは無かった。また相良川と同様に何度も徒渉することになって、その徒渉は概ね飛び石伝いで渡れたが、石が苔むして滑り易くなっており、パートナーが靴を滑らせて水没したのは二度や三度では無かった。しかもその沢にも山ヒルは多かった。もう山ヒルなど気にせずひたすら目印テープを追ってユチン川を遡上した。こう厳しくなるとは思っていなかったので、ユチン川沿いを歩くのが何とも長く感じられた。その遡上を続けているとき、突然のように古見岳の標識が現れた。そこが沢筋を離れるポイントで、滝の上に出てから50分近くが経っていた。後は普通の山道を登って古見岳に向かえるものと思ったのだが、急斜面登りとなってもまだ小さな沢筋をに沿って登ることになり、岩場の登りも多くあって気を抜けなかった。それまでは谷筋のために陽射しを受けることはほとんど無かったのだが、斜面を登るようになって陽射しをよく受けた。そのためけっこう汗をかきながらの登りだった。周囲はすっかり亜熱帯林で、それに包まれて登って行く感は悪いものでは無かった。ひたすら山頂を目指して登ると漸く普通の山道を登るようになり、峠に着いて相良川コースと合流した。そこから山頂までは前日と同じ道で、リュウキュウチクの中を登って山頂に出た。前日に立ったばかりとあってとうとう山頂に立てた感よりも、これで漸く休める感の方が強く、ただただ一安心の思いだった。天気は良くなっており、上空から北の空は青空が広がっていた。南の空はまだ雲が多く、そのため山頂に陽射しが広がるのはときおりだった。それでも青空の下で休めたので、前日とは違った雰囲気の中で過ごせたのは良かった。山頂では前日と同様に展望を楽しみ軽い昼食をとった。そして山頂で35分過ごした後、下山に移った。この日もピストン登山だったので、再び長々とユチン川源流部を歩くことになった。但しユチンの滝まではどれくらい歩けばよいのか分かっていたので、気分的には楽だった。それでも前日からの疲労が蓄積していたので、飛び石伝いに歩くときは往路以上に注意を払って歩いた。その疲れをユチンの滝が再び癒してくれた。その帰路では滝の最上部にあった展望地で休憩をとったのだが、そこからは青い海が足下に眺められた。何とも穏やかな風景だった。滝の下に出ると午後の滝は光を浴びて光っており、午前の眺めよりも美しいと思った。その後はガイド本のユチンの滝コースを往路と同じく歩いたのだが、足の疲れはMAX状態になっており、気楽な気分での下りでも無かった。ひたすら登山口に着きたい思いで歩いた。下山を終えて駐車場に戻ってきたのは15時半のこと。山頂での休憩時間を除くと前日の相良川コースは5時間半、この日のユチン川コースは6時間半だったので、どちらのコースも厳しいコースだったと言えた。体感的にはユチン川コースの方が厳しかったかと思えた。なお山ヒルのことを気にする余裕もなく歩いたのだが、駐車場に着いて足下を見ると、やはりスパッツに数匹が貼り付いており、一カ所血を吸われた跡が残っていた。なお、この下山中に天気はどんどん良くなっており、駐車場から見上げる空はほぼ雲の無い快晴だった。その空を見て麓から古見岳を改めて眺めたくなり、県道215号線を走って後良橋から、そして前良橋からも古見岳を眺めた。快晴の空の下で見る古見岳は気品のある姿をしており、登って良かったとの思いを改めて強くした。
(2021/10記)
<登山日> 2021年1月23日 8:30ユチン橋に近い駐車場よりスタート/10:02ユチンの滝下部/10:19ユチンの滝上部/11:06古見岳の標識/11:44〜12:19山頂/12:51古見岳の標識/13:42〜47ユチンの滝上部/14:04ユチンの滝下部/15:32エンド。
(天気) 始めは薄曇りの空で、少しずつ青空が現れた。山頂に立つ頃には雲は多いものの晴れと呼べる空になっていた。樹林帯の気温は18℃。山頂の気温は16℃で風が強かった。視界はまずまず良かったが、石垣島はうっすらとしか見えなかった。
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(←)
朝の空は雲が多く、
青空は僅かだった

 (→)
  ユチンの滝コース
  の入口近くにあっ
  た駐車スペースに
  車を止めた
ユチンの滝コースの入口に入った 標識は森林生態系に関する注意書きだった 道なりに進んで行く その辺りは平坦だった
右手にユチン川を見ながら歩いた コースには小さなアップダウンが何度かあった 沢を渡るようになった
概ね、緩やかな道だった いかにも亜熱帯林の風景だった 小さなコブを越した
ツワブキの花を見た また沢を渡った また渡った
沢の様子が岩棚状になってきた コースが少し険しくなってきた ロープが張られていた 目印テープは的確に付いていた

広い岩棚が現れた

川床が広く現れた
所だった

次のテープを目指
して岩棚の上を歩
いた

そのままクチンの
滝かと思っていた


また広い岩棚が現
れて横切った
もう滝は間近では思っていると まだ沢を渡った 周囲は鬱蒼とした樹林帯だった

突然のようにクチ
ンの滝が現れた
漸く着いたの思い
だった

三段からなる雄壮
な滝だった

一段目、二段目を
眺めた
滝の上部に出るべく、滝の左手の斜面に取り付いた 急斜面の所があり、ロープを掴んで登った 滝の上流部へと回り込んだ
滝の上流部に出た 穏やかな流れだった 目印テープを追って、沢を遡上することになった ゴロゴロとした石を越すのはなかなか手強かった
沢そばを歩くときはほっとしたが、山ヒルがいた 歩き難い沢だったが、沢自体は緩やかだった 遡上するのは大きな木の位置までだった
その大きな木に古見岳の標識があり、左手に向かった 山頂方向へと、左手の斜面を登った 目印テープが点々とあり、迷うことは無かった
周囲はすっかり樹林が囲んでいた 斜面も石が多くあり、易しい登りでは無かった 白い花を見た
見覚えのある風景となった 前日に歩いた位置まで登ってきたようだった もう尾根は近かった 尾根の位置に着いた 相良川コースとの合流点だった 左手の尾根道に入ると、リュウキュウチクが茂る中を進んだ
前方が開けてきた そこが山頂だった 前日に続いて、二度目の古見岳山頂だった 前日よりも青空は多かった
三等三角点(点名・高那岳)を見る 三角点のそばにイリオモテヤマネコの置物を見る 少し青空が広がってきた
山頂からの展望で一番良いのは南東方向で、古見岳の海岸線が眺められた

(←)
上の写真に写る海
岸線を大きく見る

 (→)
  山肌はリュウキュ
  ウチクに覆われて
  いた

西から北西にかけ
ての展望も良かっ

写真ではテドウ山
としたが、西表島
は400m台の山
が幾つもあり地形
も複雑なので、テ
ウ山ではとの推測
だった

(←)
テドウ山と思われ
る山を大きく見る

 (→)
  北西方向に鳩間島
  を見る
テドウ山の左手、南西方向の山並みも眺められた そちらに波照間森がありそうだった 東には、うっすらと石垣島の屋良部岳を見た
下山は往路を戻るのみ また笹の中を通った 尾根を離れて谷の方向を目指す
目印テープがあるので、下りでも安心だった 大きな石を越すことがあった 標識が付く大きな木まで戻って来た
沢筋歩きに移った 山ヒルに注意が必要だった また歩き難さを我慢しながら沢沿いを歩いた 滝の下部へと下りる位置まで戻ってきや
そのときクチンの滝の間近まで行けることが分かった クチンの滝の最上部で休憩とした 足下の滝を眺めた

(←)
海岸線が眺められ
た クチンの滝は
海岸から見える滝
のようだった

 (→)
  水の色がきれいだ
  った
滝の下へと向かうとき、木々の間から滝を眺めた 滝の下に出て、午後の光に明るい滝を眺めた 後はユチンの滝コースを戻るだけだった
また岩棚の上を歩いた 岩棚は乾いている所もあり、滑り易さは減っていた 岩棚を横切って樹林帯へと入った
また岩棚を横切った 岩棚の横断は終わり、亜熱帯林を緩やかに下った 沢を横切った
易しい道となったが、足は十分過ぎるまで疲れていた ちょっとヤブっぽい所を通った 登山口に戻ってきた

(←)
車道に出たときは
快晴の空だった

 (→)
  すっかり明るい駐
  車地点に戻ってき
  た
下山後に山頂から見えていた後良(こうら)橋に移動して、麓側から尾根を眺めた 古見岳の尾根を大きく見る
前良(まいら)橋からも尾根を眺めた 古見岳を大きく見る