TAJIHM の 兵庫の山めぐり <石垣島の山 
 
於茂登岳    おもとだけ 525.5m 石垣市(沖縄県)
 
1/2.5万地図 : 伊野田
 
【2011年1月】 No.1 2011-13(TAJI&HM)
 
    夕暮れに於茂登地区より眺める  2011 / 1

 沖縄県の最高峰は沖縄本島には無く、石垣島の於茂登岳が標高526mで最高峰となる。本島最高峰の与那覇岳と比べると、僅かに23m高いだけだが、やはり県の最高峰となると注目度は違ってきて、与那覇岳を目指すよりも、於茂登岳を目指す人の方が多いのではと思われる。その於茂登岳も最高峰の名だけで考えるとちょっとハードさがあるのではと思えてしまうが、ガイドブックを見ると、ビギナーでも軽く登れそうな山のようだった。
 2011年1月に石垣島へ山行に出かけたとき、目的は特に於茂登岳を目指してでは無く、小さな島に登山対象となる山が幾つかあることに興味を持ってだったが、当然、於茂登岳はメインと考えた。旅程は1月20日から3泊4日。ただ4日は早く帰ってきたく、実質は2日半だった。早めの予約だったため、天気を選べないのは仕方が無かったが、冬の石垣島は雨が多いようで、1月に入ってからの天気は、雨ときどき曇りがほとんどで、山行の週も似たような天気予報だった。雨の多いのが分かっていて1月を選んだのは、雨のことよりも涼しい中で登山したかったためで、天気が悪ければ不運と諦めるつもりだった。それでも、滞在期間中、一番天気の良いと思われる日に、於茂登岳を目指そうと考えた。その天気の良さそうなのが3日目の22日と思えたので、その日を於茂登岳登山と予定した。前日の21日は天気予報通り雨だったが、その夜の天気予報では、22日は午前中晴れとなっていた。曇りぐらいに考えていたので、これはうれしいことだった。ところが、22日朝の空は、どんより曇り空だった。どうも天気予報は裏切られたようだった。この3日目は、当初は於茂登岳をメインとして、残った時間で野底岳を登るつもりだったのだが、前日に急きょ野底岳を登ったことで、少しハードな行程を組んでいた。それは午前を於茂登岳で過ごし、午後は桴海於茂登岳とウマヌファ岳を登ろうと言うものだった。ガイドブックでは桴海於茂登岳が一番手強そうなので、桴海於茂登岳の登山は昼前には開始したかった。そうなると於茂登岳はそれまでに登り終えていなければならず、逆算して8時までには登山開始をしなければならなかった。その22日が曇り空の朝となって、ちょっと残念な気持ちを持ちながら石垣港に近いホテルを離れた。レンタカーのナビを於茂登にセットして走らせると、県道87号線を走ることになった。於茂登岳をずっと眺めながらだったが、すっきりとした見え方とは程遠い、モヤがかってうっすらとした見え方になっていた。於茂登岳が近づくと、案内標識が現れて枝道に入った。点々と現れる標識に従って進んで、滞りなく登山口に通じる林道入口に着いた。時計は8時を回ったばかりで、ほぼ予定通りだった。ガイドブックでは登山口まで車を進められるとなっていたが、林道入口にはロープが張られて、進入禁止になっていた。おまけに昨年10月の豪雨で登山道は崩壊していると書かれていた。そこには既に2台の車が止まっていたが、工事関係の車のようだった。そのそばに駐車をしてもよかったが、路肩にはまずまずの駐車スペースがあったので、少し離れた位置に駐車とした。登山道の崩壊が心配だったが、歩けないのなら通行不能と書かれるはずなので、気にせずスタートすることにした。林道は始めはスムーズに歩けたが、すぐに荒れ出した。激しくえぐれた所や路肩の壊れた所があり、どう見ても四駆車以外は無理ではと思えた。登山口までは20分ほどは歩くのかと思っていたのだが、意外と早く、7分ほどで着いてしまった。そこにも車が止まっていたが、やはり工事関係の車だった。どうやらまだ登山者はいないようだった。登山道に入ると、小さな沢を渡って緩やかな登り坂が始まった。前日に登った前嵩と同様に、登山道はコンクリートで固められた所や階段として整備された所があり、いわゆる一種の遊歩道になっていた。おかげで易しく登って行けた。「大御岳ぬ清水」の水場を過ぎて丸木橋を渡ると、沢の左岸を登るようになった。程なくその沢が激しく崩壊している所が現れた。10月の豪雨の爪跡のようだったが、大量の大岩にこれまた大量の倒木を見ていると、想像を絶する雨が降ったようだった。その崩壊地を見ながら登っていると、登山道も崩壊して赤土がむき出しになっている所が現れた。それが歩ける程度には補修されていたので、無理なく歩いて行けた。その災害地を過ぎようとしたとき、崩壊した沢の中を渡ることになったが、そこに作業員が数人休んでいた。彼らが登山道を修復したとのことだった。沢を横切ると、沢を離れて落ち着いた登山道を登るようになった。周囲は亜熱帯林で、山が大きいだけにこれまで登った山よりも鬱蒼としているように思われた。登山道は自然なままかと思っていると、またコンクリートの部分が現れて、あくもでも歩き易いように整備されていた。そのため、森の鬱蒼とした感じが少しそがれるようで、あまり奥深い地を歩いている感じでは無かった。最後の水場を過ぎると尾根ひだを歩くようになり、少し展望が開けてきた。東の海岸線が眺められたが、薄ぼんやりとして、海の色も鮮やかさが無かった。前日の雨の天気の方がずっと視界は良かったようで、どうも曇り空の上に、展望も楽しめなさそうだった。標識が現れ、標高は450mと書かれていたので、今少し登らなければならないようだった。その先で急坂があり、登りきってようやく山頂かと思っていると、もう一度急坂が始まった。その頃には周囲はリュウキュウチクが多くなってきた。急坂が終わると、周囲はすっかりリュウキュウチクの風景で、丸い気象レーダーや電波塔がその上に見えるようになった。ほぼ平坦な道となり、山頂はごく近いようだった。ササの中を進むと山頂方向の小径が左手に分かれた。真っ直ぐに進むと、ダム湖が見える位置に向かうようだった。山頂を目指して左手の道に入ることにする。リュウキュウチクが両側から迫る感じになって、それをかき分けるように登って、電波塔の前に出た。そこを左手に回り込むように進み、ほんの僅か登った所が山頂だった。山頂は平らに開けていたが、その周囲はびっしりとリュウキュウチクの風景だった。曇天の下でササの広がる風景は、強い風が吹いていることもあって、もの悲しい雰囲気だった。展望もササの上に少し覗くだけで、むしろ電波塔が目立っており、無粋さが感じられた。所々に小さな岩があり、その上に立つと多少は展望が広がって、桴海於茂登岳や底原ダム湖が眺められたが、前日の前嵩が同じようにリュウキュウチクの山頂ながら展望が素晴らしかっただけに、少々失望感を持ってしまった。それでも桴海於茂登岳とウマヌファ岳を間近に眺められて、これは良かった。ササを抜け出ての眺めとなれば360度の展望は有りそうで、ここは是非とも展望台が欲しいものだと思ってしまった。山頂の気温は13℃。しかも強風があり、石垣島にしては異常に寒いと言えた。これでは長居は出来ず、ダム湖の見える位置へ移動することにした。途中にNHKの通信施設があり、少しは展望が広がったが、すっきりと見えるとまではいかなかった。登山道は幅の広い道となって東の方向に続いており、そちらに下ればダム湖が見える位置に出そうだったが、特の見たいとも思えなくなって、於茂登岳登山はここまでとした。下山は往路を引き返す。下山を始めるまではパートナーと二人きりだったのだが、下山を始めると登山者と出会うようになった。始めに夫婦のペア。そしていきなり30人ほどのグループとすれ違った。その後は単独者にぽつりぽつりと出会ったが、中に若い女性が一人で登っていた。子供連れもおり、この曇天ながら、於茂登岳を目指す人の多さに、人気のほどが窺えた。登山道の歩き易さと登山者の多さを見るにつけ、沖縄県最高峰の良さをもっとアピール出来る山頂であればと思わずにはいられなかった。途中で小さな滝を見物したものの、後は休まず歩いたので、50分ほどで登山口に戻って来た。駐車地点まで林道を戻るとき、改めて於茂登岳を思ってみると、500m台の山を一つ登っただけの思いがどうも強く、特に石垣島の山を登ったとの強い印象を持てなかった。ここまでで登った屋良部岳、野底岳、前嵩の方が、いかにも島の山との印象が強かったためでもあるが、ちょっと複雑な思いになった。駐車地点に戻ってきたのは11時前。ほぼ予定通りだった。すぐに東シナ海側の海岸線に向かった。空の色はいくぶん薄くなっているようで、気持ちはもう桴海於茂登岳へ切り替わっていた
(2011/2記)(2019/3写真改訂) 
<登山日> 2011年1月22日 8:13スタート/8:20登山口/8:36標高250m地点/8:55最後の給水ポイント/9:17標高450m地点/9:25〜45山頂/9:48〜10:00NHKの施設周辺/10:46大御岳ぬ清水/10:51登山口/10:56エンド。
(天気) どんよりとした曇り空。気温は低めで、ふもとで15℃、山頂では13℃まで下がった。山頂は北風が強く吹いており、寒々しかった。下山頃はほんの少し空の色が薄くなったが、曇り空に変わりなかった。視界はややうっすらとしており、遠方は薄ぼんやりとしか見えなかった。
<< Photo Album 2011/01/22 >>
於茂登岳に向かって行く その上空はすっかり曇り空
だった
3ヶ月前の豪雨のため、於茂登岳登山口に通じる林道
は進入禁止になっていた
林道近くの路肩に車を止めたが、その先の車道は土砂
に埋まっていた
災害地の先は易しく歩けいたが 次第に道はえぐれ出して四駆車でないと無理だった 周囲の木立は南国のものだった
登山口広場に着いた 車は工事関係のものだった 登山口には登山者数を記録するカウンタがあった 始めに小さな沢を渡った
コンクリートで補修された道が緩やかに延びる 「大御岳ぬ清水」と書かれた水場が現れた 丸木橋を渡る
左手の沢が豪雨の爪跡を見せ出した 登山道の消えている所も現れた 標高250m地点 山頂まで40分と書かれていた
災害地を一度横切ることになった また歩き易い登山道が続くようになった 沢を離れた位置でも、一カ所崩壊地があった
登山道のそばに巨木を見た 周囲は鬱蒼とした亜熱帯林だった ヤエヤマヤシを見上げた
最後の給水ポイントを通過する 東に展望が現れたが薄ぼんやりとした視界だった また登山道はコンクリートで補修された道になった
右手前方に山頂の一部が望まれた 急坂が始まると、スリップに注意と標識があった ロープを伝って急坂を登る
山頂部に出ると気象レーダーや電波塔が現れた 気象レーダーを近くで見る 頂上への道が左手に分かれたので、そちらに入った
(←)
ササをかき分ける
ようにして進むと
電波塔の前に出た
山頂へはそこから
左の方向に進む

(→)
山頂に立つ 周囲
はササの広がる風
景だった
山頂の三角点は三等三角点だった 山頂にあった小さな岩の上に立つと少しは展望を得られた 北から東にかけてを眺める
 
桴海於茂登岳の方向を大きく見る 次にNHK側に移動して、山頂の電波塔を振り返った

(←)
NHKの位置か
ら幅広の道が東
に続いていた

(→)
その道を少し歩
いたとき、後ろ
を振り返った
NHKのそばに戻って、その近くから南西方向が少し望まれた 北の海岸線の一角に陽が射していた
下山を始めたとき、登山道にツワブキの花を見る 名蔵湾が上の写真よりも良く見える所があった 鬱蒼とした山肌を見る
途中で登山道を離れて小さな滝を見物する 再び豪雨で被害を受けた沢を横切った 山頂から50分で登山口に戻り着いた

次の山として桴
海於茂登岳に向
かっているとき
県道87号線か
ら於茂登岳を眺
めた

左の写真に写る於
茂登岳を大きく見
る 相変わらず曇
り空だった