TAJIHM の 兵庫の山めぐり <台湾の山 
 
観音山   (硬漢嶺) 616m (新北市)
 かんのんさん
 
【2014年5月】 2014-38(TAJI&HM)
 
   対岸の淡水区より  2014 / 5

 二度目の台北山行は、2014年4月30日からだった。今回の主目的は七星山の再訪だったが、七星山以外にも別の山域の山も一つ登ろうと考えた。それが観音山だった。台北市街の北にそびえる七星山系と大屯山系は淡水河の右岸側となるが、その対岸の左岸側で目立つ山が観音山だった。観音山に向かったのは、台北に着いて三日目の5月2日のこと。台北に着いた日から雨で、翌5月1日も終日雨だった。その雨がこの日は漸く止んで、ホテルから見る空は、雲が広がるものの一部に青空も見られた。さて観音山の登山口として代表は南西面の中腹にあるビジターセンターのようだったが、そこまでどうやって行くかがまず第一の問題だった。ホテルのインターネットで調べると、交通手段は台北駅の近くからビジターセンターの手前の凌雲寺まで行くバスが主に紹介されていたが、他にもMRT(地下鉄)蘆洲支線の終点からならビジターセンターまで行くバスがあるようだった。それは三重客運の橘20系統バスだったが、問題は一時間に1本しかなく、しかも時刻表が分からないことだった。それでもホテルからの移動のしやすさを考えて、橘20系統バスに乗ることにした。
 MRTをホテルの最寄り駅である双連駅で乗ると、次の民権西路駅で下りて、蘆洲行きに乗り換えた。そして六つ目の駅が終点の蘆洲駅だった。駅前に出たのは8時45分で、バス停はすぐ前にあった。バス停の表示を見ると、橘20系統バスもあって一安心だった。一時間に1本とのことだったので、30分は待つ覚悟をしてのんびり待っていたのだが、その30分が経過してもバスは現れず、漸く来たのは50分待っての9時35分で、来るのかどうか心配しだしたときだった。ほっとする思いで小ぶりのバスに乗り込んだ。いざ動き出すとビジターセンターまでは意外と早く、30分とかからず終点のビジターセンター前に到着した。まずはビジターセンターに立ち寄って、ハイキングマップを手に入れた。その地図を見ると、観音山の山頂の名は「硬漢嶺」となっていた。観音山の名は総称と言った方が正しいようだった。トイレも済ませて一休みしてから歩き始めた。もう晴れと言ってよい天気になっていたが、視界は少しうっすらとしているようだった。登山口はすぐそばにあり、山頂まで1700mだった。道は遊歩道として始まった。一度、車道に出たが、案内標識に従ってすぐに脇道に入った。暫く平坦な道が続いた後、階段道が始まった。おかげでどんどん高度を稼いだ。周囲は竹林が多いようだった。尾根に着くと凌雲禅寺からのコースに合流した。そこからまた緩やかな道となった。その佇まいは全くの遊歩道だった。この日は金曜日と平日だったにもかかわらず、前後にハイカーを何人も見かけた。中には単に散歩をしていると言った感じで登っている人もいた。少し傾斜が増して山頂へと通じる尾根に合流すると、そこは公園風になっており、展望台も建っていた。その公園に大勢の小学生が休んでいた。どうやら遠足に来ているようだった。展望台に立つと、足下に淡水河と淡水市街が眺められたものの、その背後の大屯山系の山並みはすっかり雲に包まれていた。その展望台から山頂までは150mの距離だった。道は緩やかで、ほんの一歩きと言った感じで山頂に着いた。山頂も公園風になっており、その中央に「硬漢碑」と書かれた大きな標石が立っていた。 その標石の台座は雛壇状になっていたので、腰掛けられるようになっていた。また一角に展望台があって、先ほどの展望台よりもずっと素晴らしい展望が広がっていた。足下の淡水河は両岸の風景が見えており、遠くは台北市街もうっすらとながら眺められた。大屯山系も徐々にながら姿を現そうとしていた。山頂に着いたときは陽射しが現れていたため、気温は26℃まで上がっていた。但しそれほど蒸し暑い感じは無く、ときおり吹いてくる風が涼しく快かった。山頂で休んでいたのは45分ほど。その間にハイカーや単に散歩と言った風の人が入れ替わり山頂に来ていたので、観音山はけっこう人気の山のようだった。この観音山はビジターセンターからのコースだけでなく、淡水河側の八里からのコースなど幾つかのコースがあるようだったが、下山は八里コースを下る予定だった。そうすれば縦走で観音山を歩けることになる上、八里の町にでれば連絡船で対岸の淡水に渡れ、淡水はMRTの始発駅があるので、これも好都合だった。手前の展望台まで戻ると、そこが八里コースの分岐点で、八里コースへと入った。有り難いことに道標が整備されており、その位置から八里の渡船場まで4.6kmとあった。八里コースも石畳や階段で整備されており、歩き易い道だった。ただこちらを歩く人は少ないようで、誰と会うこともなく下って行った。この下山途中でも展望所があり、そこに立ったときは、大屯山系の山並みがほぼ姿を現そうとしていた。山頂から35分ほど歩いたとき、遊歩道は終わって車道に合流した。後は車道歩きだった。その車道にも道標が立っていたので、枝道に惑わされず八里へと歩いて行けた。その道中には無極宮、奉天宮と二つの立派な道教のお宮も現れて、それを拝観出来たのも良かった。淡水河の左岸道路(省道15号線)に着くと、その国道沿いを歩いて行くものと思っていたのだが、左岸は龍米河濱公園になっており、公園内の道を散策する感じで八里の町へと歩いて行けることになった。その遊歩道からは対岸に淡水の街や大屯山が眺められただけでなく、左手には今登ってきた観音山が見上げるようにして眺められた。公園の道は自転車道にもなっており、サイクリングを楽しむ姿も多かった。公園を抜けて八里の波止場に着くと、みやげ物屋など多くの店があり、そこはすっかり観光地の様相だった。もう登山のことは忘れて、一観光客としてマンゴージュースを買ったり店屋をひやかしたりして少時を過ごした。さて連絡船だったが、連絡船はひっきりなしに出ており、片道12元(往復23元)の安さだった。おかげで待つこともなく乗れて、対岸の淡水へと渡った。その連絡船から見る両岸の風景も良かった。淡水に着くと、平日にもかかわらず観光客と思える大勢の人が行き交っており、こちらもすっかり観光地の様相だった。メインストリートを歩いたり海岸の道を歩いたりとそぞろ歩きで淡水の街を20分ほど歩くと、現れたのがMRT淡水線の始発駅である淡水駅だった。始発駅にもかかわらず大勢の人が乗るため立つことになったが、後は同じ淡水線の双連駅へと戻って行くだけだった。充実したハイキングが出来たとの思いで電車に揺られていた。
(2014/8記)(2020/10改訂)(2024/4写真改訂)
<登山日> 2014年5月2日 10:12ビジターセンター登山口スタート/10:34凌雲禅寺コースと合流する/10:48〜55展望台/11:00〜45山頂/11:48八里コースに入る/11:58象牙石/12:09中腹の展望台/12:19車道に出る/12:36無極宮/13:08奉天宮/13:24国道15号線に出る/13:52〜14:10八里渡船場を散策する/14:15八里渡船場を離れる/14:26淡水渡船場着/14:48淡水駅エンド。
(天気) 朝の空は薄曇りから薄晴れと言った感じで、僅かに青空が見られる程度だった。歩き始める頃には、次第に青空が広がってきた。気温は樹林帯では23℃だったが、山頂は陽射しもあって26℃まで上がっていた。少し蒸し暑いと感じる程度だった。山上では風はあまり無かったが、ときおり吹いてくる風には涼しさがあって、快かった。視界は少しうっすらとしている程度だった。但し、台北市街の方向ははっきりしていなかった。八里へ下りてくると、28℃の暑さだった。午後の空はまた雲が増えて、薄曇りから薄晴れ程度となり、北の空には青空が覗いていた。
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MRT蘆洲駅から出てきた 空は薄晴れで青空も見られた バス停は目の前だったが、肝心の橘20系統バスはなかなか来なかった 橘20系統の路線図を見ると、終点が観音山遊客中心(ビジターセンター)だった

50分ほど待って
漸くバスに乗り、
終点のビジターセ
ンター前で降車し


まずはビジターセ
ンターを訪れて登
山マップを手に入
れた
ビジターセンターでは登山案内図(観音山歩道図)を見た 山頂は「硬漢嶺」の名が付いていた 観音山は広い範囲を指しているようだった ビジターセンターの前からは台北市街の方向が望めたが、ごくうっすらとしていた
ビジターセンターのそばから登山道が始まっていた 散歩道の雰囲気だった また階段を登った
一度、車道に出た 案内標識に従って脇道に入った 平坦な道を歩いて行った
一軒の家の前を通る 家の先に標識があり、右に折れた 漸く登山モードとなって、階段の道を登った
周囲に竹林を見るようになった 途中には休憩場所もあった まだまだ階段道は続いた
尾根が近づいた 尾根に着いて凌雲禅寺コースと合流した ここに来て山頂が望めた
尾根道はすっかり遊歩道だった そばで咲いていたのはツツジのようだった 白にピンクが混じったこの花をよく見かけた
花を大きく見る 少し上り坂になった 真っ赤な花が咲いていた
遊歩道が続く 自然林が囲む風景は、目に優しかった 別の尾根に合流すると、そこは公園になっていた
大勢の子供を見た 遠足に来ていた小学生だった 展望台も小学生がいっぱいいた 山頂(硬漢嶺)まで150mだった

展望台からは淡水
河が眺められたが
モヤでうっすらと
していた

淡水河を大きく見

程なく小学生が集まってきた 下山するようだった 山頂へと向かった 山頂が近づいたとき、アーチが現れた

山頂が見えてきた
とき、東屋のそば
を通った

山頂に着いた

そこは広場になっ
ており、大きな石
碑(硬漢碑)が建
っていた

(←)
展望は良いはずだ
ったが、ガス雲が
広がっていた

 (→)
  山頂の南端は展望
  台になっていた
展望台に立つと、足下に淡水河流域の風景が眺められた 視界は徐々に良くなっているようで、対岸の淡水の町も望めるようになった また大屯山系が姿を現うとしていた
上の写真の左隅に写る八里渡船場の辺りを見る 淡水河の蛇行風景を見る そこに架かっている橋は関渡大橋と思えた
山頂には幾つか無線塔が建っていた 休むうちに大屯山系が少しずつ姿を見せてきた 山頂で35分ほど休んだ後、下山を始めた
緩やかな尾根道を戻って行く 展望台の建つ広場に戻って、そこより八里コースに入った 階段道を100mほど下ると、案内標識が現れて右手の道へと入った
八里渡船場まで4.5kmだった 八里コースも遊歩道だった インパチェンスの花を見かけた
自然林の中を下って行く 「象牙石」の前に出た 展望台ながら展望は悪かった 案内図では淡水河口が描かれていた
階段の道が続いた 木々が空いたとき、淡水河の河口辺りが眺められた 足下に東屋が見えてきた

その東屋に立つと
展望があった 視
界は良くなってお
り、大屯山系もだ
いぶ姿を現してい


まだ大屯主峰はガ
スに包まれていた
道そばでクワズイモをよく見た 遊歩道は終わって、車道に合流することになった 標識があり山頂から1km、渡船場まで3.6kmだった 
車道のそばで大きなシダを見た 車道歩きとなって、廟の前を通った 下るうちに、前方に大屯山系を見た
大屯山(大屯主峰)がちらりと見えるときがあった ハイビスカスをよく見るようになった 振り返って観音山を見る
住宅地に入ると、そこに建っていたのは無極宮だった 細かな装飾がされていた 中を覗いてみると、何ともきらびやかだった
無極宮の前から住宅地の方向を見た 住宅地を抜けて行く 八里渡船場まで3kmだった タイワンアサガオを見た
淡水河の風景を見ながら歩くようになった 淡水河流域を広く眺める
墓地のそばを通った 墓の姿は沖縄の墓に似ていた 淡水河の風景が徐々に近くなった また立派なお宮が現れた 道教寺院の奉天宮だった
奉天宮の中も覗いた こちらもきらびやかだった 奉天宮の前から大屯山の方向を眺める 奉天宮の辺りではクチナシの花を良く見た
ショートカットの小径を見たのでそちらに入った 前方に車道が見えてきた 車道に出ると、程なく省道15号線に合流した
幹線路沿いでは無く、湖岸の遊歩道を歩いて行った 右手に広がるのは淡水河の風景だった
淡水河の左岸はずっと公園になっており、このようなベンチを幾つか見た 遊歩道は自転車道でもあるようで、貸し自転車でサイクリングをする人が多かった 川を見ると、すっかり水に浸かっている木をよく見かけた
間近で見かけたこの鳥はカバイロハッカと思えた 渡船を見る 頻繁に行き来していた 八里渡船場が近づいた

八里渡船場の前は
観光地の様相で、
けっこうな賑わい
だった

船に乗る前に、暫
し商店街をぶらつ
いた
渡船場へ近づいた 片道12元だった 先にパートナーが船に乗り込んだ 簡素な船内だった
八里の港を離れた 向かう先に大屯山系の山並みを見る 淡水の町が近づいた オレンジの建物は駅だった
振り返って八里の方向を見ると、観音山が眺められた 淡水の町に着いて、下船する メインストリートに出て、淡水駅の方向へと歩いた
建物の間から観音山を眺めた 淡水は活気のある町だった メインストリートを離れて狭い通りにも入った
川に近い通りも歩いた MRT淡水駅に着いた 4時間半のハイキングが終わった 駅のホームから観音山を眺めた